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「ネタニヤフ首相が搬送された」 ハマスのイスラエル攻撃でSNSに偽情報拡散

「ネタニヤフ首相が搬送された」 ハマスのイスラエル攻撃でSNSに偽情報拡散

Posted October. 10, 2023 08:13,   

Updated October. 10, 2023 08:13

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「イスラエルのネタニヤフ首相がシェバ病院に緊急搬送された」

7日未明、イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した直後、ソーシャルメディアX(旧ツイッター)には、イスラエル現地メディアのエルサレム・ポストをソースとして、このような内容を伝える投稿があった。ネタニヤフ氏の写真と病院名まで含まれたこの記事は瞬く間に70万人以上が閲覧したが、偽情報であることが確認された。

イスラエルとハマスの戦争に関連した偽情報がSNSを中心に急速に広がっている。ロシアのウクライナ侵攻など最近の国際的な紛争のたびに、各国のプロパガンダに活用される偽情報のケースが今回も繰り返されている。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がXを買収した後、導入された各種メディア関連政策が、偽情報の拡散を助長していると懸念する声もある。

●「Xブルーバッジの認証アカウント、偽情報の温床」

ハマスのイスラエル奇襲後、SNSでは映像や写真を含む偽情報が拡散し、混乱を深めている。パレスチナのガザ地区のハマスの隠れ家に対するイスラエルの大々的な空爆開始前から、Xではすでに「速報:イスラエル空軍がガザ地区を攻撃している」といった投稿が攻撃シーンの映像と共に流れた。8日、ロイター通信によると、この映像は今年5月にあった攻撃シーンだった。

ホワイトハウスが、イスラエル政府に「80億(ドル)」の予算支援を承認したという偽文書の写真も出回っている。この文書は、今年7月にホワイトハウスが発表したイスラエル支援内容を盛り込んだ書類を偽造して作ったものと推定される。ホワイトハウスはこの文書は捏造されたものであると明らかにしたが、まだポータルサイトで検索するとこの偽文書を見ることができる。

特に、この偽情報が、過去に社会的影響力がある人物に与えられたXの「ブルーバッジ認証」アカウントから出たということも懸念を高めている。ブルーバッジ認証アカウントは、世論の信頼を受けてきた。しかし、マスク氏がツイッターを買収した後、認証バッジを有料に切り替え、一般の利用者もバッジを取得できることになったことで、偽情報の震源地として悪用されているという指摘が出ている。さらに、Xで報道記事をリンクする際、記事のタイトルなどは除いて画像だけをアップすることを推進しており、事実の捏造がより容易になるという分析もある。

事実を歪曲して扇動する情報を掲載すると批判されたXの利用者2人のアカウントをマスク氏が推薦し、「イスラエルとハマスの戦争の速報をリアルタイムで入手したいなら、このアカウントに入ってみては」と言ったことも物議を醸した。批判が出た後、マスク氏はこの投稿を削除した。

●「偽アカウント、従軍記者の役割」

米国の作家ベン・ハント氏をはじめとするX利用者は、「10年ぶりにCNNを再び見るようになった」とし、「Xはもはやリアルタイムのニュースを正しく伝えてくれない」と批判した。米紙ワシントン・ポストは8日、Xの信頼度が低下する中、「イスラエル-ハマス戦争はSNSが偽情報に対する自浄機能があるかどうかを知らせる尺度になるだろう」と報じた。米シンクタンク大西洋評議会のエマーソン・ブルッキング研究員は自身のXアカウントに、「ブルーバッジに金を払った人々は、過去の話や偽の映像を添えてまるで従軍記者の役割をしている。彼らは(フォロワーを増やす)財政的インセンティブがある」と指摘した。

SNSの偽情報は、ウクライナ戦争、米中対立などの国際紛争と結びついてより活発化している。一部の該当国の情報機関が、世界の世論を友好的にするために介入しているという。今年8月、メタは、フェイスブックをはじめとする自社SNSで中国共産党が運営していると思われる偽アカウント約8千個を摘発したと明らかにした。最近、欧州委員会の発表によると、Xを通じてロシアの広報アジェンダが急速に広がった。

イスラエルとハマスもSNSで世論戦を繰り広げている。イスラエルはXに犠牲者の写真などを載せ、ハマスがテロ組織「イスラム国」(ISIS)と変わらないと主張した。XのようなSNSでの活動が禁止されたハマスは、テレグラムメッセージを通じてイスラエルを非難していると、米NBCは伝えた。


金玹秀 kimhs@donga.com