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アインシュタインと雇用

Posted June. 26, 2020 08:49,   

Updated June. 26, 2020 08:49

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20代の若い学生たちが、就職が難しく、アルバイトに追いやられている。誰かはうなぎ屋で、誰かはカフェで働く。アインシュタインは、大学を卒業してもしばらく就職できず、代理教師と家庭教師をして生計を立てた。その後友達の紹介で、特許局で働くことになった。安定した仕事のおかげだったのだろうか。アインシュタインは一人で集中できる時間を持ってから、重要な論文を発表し始めた。

1905年は3月と5月、そして6月に3本の歴史的論文を立て続けて発表した。最初の論文では、太陽電池と発光ダイオード(LED)の基本原理となる光電効果を発表し、2番目の論文では、ブラウン運動で原子の存在を明らかにし、三番目の論文では、有名な公式「E=mc2」が含まれている特殊相対性理論を発表した。アインシュタインは、一人だけの時間を過ごすことができたあの時期を格別に思った。

20代のあの特別な時間は、おそらく彼の人生の中で最も独創的な時間ではなかったのだろうか?そして10年後の1915年、アインシュタインは新しい重力理論である一般相対性理論を発表した。一般相対性理論によれば、時空間は固定されていないし、強力な重力は光が通過する経路を歪める。この理論は、妥当性が検証されるまで数年の時間を待たなければならなかった。1919年5月29日、英国の天文学者・アーサー・エディントンは、相対性理論の正否を検証するために、皆既日食時を待って星の位置を観測したが、この時の観測で、彼は太陽の周りの星の位置が太陽の重力によって変わったことを確認した。アインシュタインの一般相対性理論が正しいことが証明されたのだ。エディントンの観測で、相対性理論に対する科学界の疑問は消え、アインシュタインという物理学者は世界的なスターとなった。今から約100年前、スペイン風邪が全世界を苦痛に追い込んだあの頃のことだ。

若いアインシュタインを考えるとき、最近、就職の心配に苦しむ学生たちがどんどん気になる。このように困難なとき、政府が科学の重要性を考えて、大学の研究室で勉強できるように支援すればどんなに良いだろうか。私たちにはアインシュタインのような若者たちがいることを忘れてはならない。卒業生を大学インターン助手や研究員として採用した「未就業大卒生支援事業」の復活も検討してもらいたい。主要4河川にお金を注ぎ込んでいた過去の政権が、一つだけよくやったことがあったが、それが研究室インターン制度だった。この制度で、当時就職できなかった卒業生たちは、政府の支援で研究室で働くことができた。あの時代を一緒に過ごした若者たちが、今、中年になって、韓国社会を支えている。基礎科学を土台にしたK防疫は、世界的な自慢のものだ。K防疫の優秀性を誇るこの政権で、将来の科学的基礎のためにさまよう若者たちに、この程度の投資ができない理由はいったいなんだろうか?残念で切ない現実だ。