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押し寄せるコロナの荒波、疾病管理庁の昇格がポストを増やすことに終わってはならない

押し寄せるコロナの荒波、疾病管理庁の昇格がポストを増やすことに終わってはならない

Posted June. 04, 2020 08:28,   

Updated June. 04, 2020 08:28

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政府が3日、新型コロナウイルスを含む感染症への対応力を強化するために疾病管理本部を保健福祉部から独立させて疾病管理庁に昇格する内容を含む政府組織法改正案を立法予告した。庁の傘下には、地域ごとに疾病対応センターを設置し、保健福祉部次官を2人に増やし、衛生分野を任せる。

疾病管理庁に昇格すれば、「政策」づくりと「執行」機能を全て遂行することになり、事態の収拾に追われていた現在の状況とは違って、衛生医療危機に備えた長期的な対応システムづくりが可能になる。庁の昇格は2015年の中東呼吸器症候群(MERS)の時にも話し合われた。今回の新型コロナウイルスの初期対応の失敗の原因として、コントロールタワーの不在が提起され、再び疾病管理本部の権限強化の世論が生まれた。感染症の発生周期が短くなり、被害が大きくなる傾向を考えると、専門性を持つ組織が独自の予算と人事権を握って、衛生医療の政策を遂行する必要がある。

しかし、衛生政策を担当する独立した庁があるにもかかわらず、福祉部に衛生担当次官のポストを新設したことは納得できない。庁への昇格で増えたポストが福祉部の「人事」に悪用されないようにするには、庁の実質的な人事権を保障しなければならない。新設される庁の傘下の地域ごとの疾病対応センターと地方自治体の保健所所属の機関が異なることで発生する混乱と非効率も解決しなければならない課題だ。

新型コロナウイルス事態が落ち着くどころか「静かな拡散」で不安が高まっている今この時に、組織の改編を急がなければならないのか疑問だ。小中高校の3次再開が行われた3日、49人の新規感染者が確認され、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はソーシャルメディアに「一息つけると思ったのにだめだった」と投稿した。今秋の流行第2波に備えて、危険施設を管理し、病床確保を含む医療体系の整備が緊急な状況だ。

 

政府の初期の泥縄対応で大きくなった感染事態を安定的に管理したのには、「医兵」と呼ばれる民間医療機関の功労が大きかった。彼らは、最大のヤマだった大邱(テグ)新天地事態の時、経営難を顧みず志願し、感染拡大の火を消し、医療システムの崩壊を防いだ。しかし、新型コロナウイルスの最前線で活躍した民間病院は一般診療ができず、莫大な損失に苦しんでいる。民間医療機関に対する士気を鼓舞する策もなく、「K防疫」と自画自賛し、公務員の昇進だけを考えては、さらなる危機が迫る時、医兵が志願するだろうか。「官軍」のポストを増やすことでは第2のコロナと戦って勝ち抜くことはできない。