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クラシック音楽はどのようにして「崇高」になったのか

クラシック音楽はどのようにして「崇高」になったのか

Posted April. 16, 2020 07:50,   

Updated April. 16, 2020 07:50

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「クラシック音楽」は深刻で真剣で「高貴な」感動を与えるという観念がある。理由は何か。いつからそうなのか。

あるピアニストの講義兼リサイタルが静かな反響を呼んでいる。ピアニストのホ・ヒョジョン氏は今月初め、ユーチューブに昨年のソウル芸術の殿堂と大邱(テグ)、光州(クァンジュ)で開催した「ホ・ヒョジョンの人文学リサイタル-クラシック音楽はどのようにして崇高になったのか」を公開した。この動画は、作曲家やピアニストなど音楽家がSNSで共有し、音楽界で話題になった。ある作曲家は、「おもしろいだけでなく感動する。格が違う」と評価した。

コンサートでホ氏は、「クラシックは特別な価値を持つという信念で音楽をしてきたが、音楽も『商品』として扱われると考え、『クラシック=高邁さ』という考えがどのようにして生まれたのか研究し始めた」と明らかにした。

それによると、19世紀に楽譜の出版が増え、以前に演奏した音楽を再び演奏することになり、音楽は「歴史的な、価値の高い」ことと考えられるようになった。「クラシック」という表現もこの頃生まれた。

また、当時、西洋哲学界で流行した「崇高」談論が音楽に影響を与えたということだ。ギリシャの哲学者ロンギヌスの『崇高について』が翻訳され、「崇高」談論は哲学の重要なテーマになり、作曲家も「崇高」を音楽に取り入れようと努力した。英国の哲学者エドマンド・バーク「崇高とは、嵐を遠くから見るように恐怖と楽しさが混ざった感情」という理論は、芸術家に大きな影響を与え、音楽に暗さと激しさが表現された。哲学者カントは、哲学を通じて到達できなかった無限の存在が「崇高」のような美学的な過程で見出せると考えた。ベートーベンも作業テーブルにカントの「私の上なる星空と私の内なる道徳法則」という一節を飾った。

 

ホ氏は、「今日の音楽家も崇高とは、アイデンティティを捨てずに進むことだと考える」と語った。

14日、記者との電話で、ホ氏は「楽しさとは異なるクラシック音楽のアイデンティティである『崇高』を聴衆と共に知り、私たちの時代の音楽の価値を探してみたくて、このリサイタルを企画した」と話した。ホ氏の「人文学リサイタル」は今後1年に2回、計7回を開催される。

ホ氏は、ソウル大学器楽科と美学科を卒業し、米ウィスコンシン大学マディソン校(ピアノ)で博士学位を取得し、ソウル大学で西洋音楽学の博士課程を修了した。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com