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1台のPCを2人で使うソウル大コンピュータ学科、これで「人材が資源」と言えるのか

1台のPCを2人で使うソウル大コンピュータ学科、これで「人材が資源」と言えるのか

Posted April. 10, 2019 07:39,   

Updated April. 10, 2019 07:39

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ソウル大学コンピュータ工学部の学生は、機器不足で学生2人が1台のコンピュータを使い分けながらプログラミングの授業を受けているという。学科の入学定員が15年間55人に固定されており、学校機材と予算もこれに合わせられていたことで起きたあきれた風景といえる。

このような教育現場の現実をもたらしたのは、1982年に制定された首都圏整備計画法による規制だ。この法律は、首都圏人口の分散のために、ソウルと首都圏大学の総定員を増やさないように縛っておいた。その後、コンピュータ工学への需要が高まり、複数専攻・副専攻などで授業を受ける学生の規模は、一学年が200人規模に増えたものの、彼らはまだ55名の定員に合わせた劣悪な教育環境を共有しなければならない。学習したい学生と教えたい教授がいるのに、規制がこれ以上勉強ができないように障壁を作ったのだ。

韓国国内最高の大学で最も有望な学科でさえこのような状況だから、他の教育現場は言うまでもないだろう。韓国の大学はあらゆる「だめ」という規制に息が詰るのが現状だ。公務員が大学定員を操ることはもとより、新入生選抜方法、授業料、教員雇用、学士プログラムの運営に至るまで、直接・間接的規制の鎖で縛っていた。教育部は将来の人材育成よりも、大学飼いならしと首都圏と地方大学とのバランスを合わせることだけに没頭しているという苦情で持ち切りだ。

このような現実は、高等教育に国家戦略を載せて支援する中国とは大きく対照される。中国政府は、「うまくやる大学への投資を集中して、世界最高の高等教育を作る」という目標のもと、産業需要に応じて、大学定員を調整する。例えば、2015年は97人だった清華大学コンピュータ科学技術の卒業生は、毎年増えて昨年は146人になった。この大学は昨年、米USニュース&ワールドレポートの大学評価で、世界中のコンピュータ科学専攻分野のトップについた。短期間に世界レベルに跳躍した大学は、再び産業競争力を支える好循環を形成する。

韓国では、米国で最も革新的という評価を受ける「ミネルバ大学」のように、オンライン講義を組み合わせた新概念の大学が出にくい。大学の動画講義の割合に対する規制のためだという。人材が最大の資源である大韓民国の未来のためにも、教育規制を果敢に緩和して、大学を息づかせなければならない。