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英国女王と朴槿恵の65年

Posted February. 06, 2017 08:27,   

Updated February. 06, 2017 08:28

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「世界の歴史上、初めて若い女性が王女として木にのぼり、女王としておりてきた」。英国の伝説的な猟師であり著述家であるジム・コーベット氏がケニアのある国立公園にあるホテル・ツリートップの日誌に残した文だ。サファリ観光客が野生の動物を近くで見ることができるよう実際に木の上に建てたこの宿舎に1952年2月5日、20代の女性が宿泊し、夜中に父親の訃告を受け、翌日6日に突然後継者になった。英国の女王エリザベス2世だ。

◆エリザベス2世が、ジョージ6世(吃音症の王を題材にした映画「英国王のスピーチ」の実在主人公)をつづき、王位に就く4日前、韓国では将来「王女」と世間から呼ばれることになる赤ん坊が生まれた。朴槿恵(朴・クンへ)大統領だ。両者は、61年後の2013年11月5日、ロンドンのバッキンガム宮殿で会う。この日、エリザベス女王は大英帝国を日が沈まない帝国に導いた、朴大統領が平素ロール・モデルと言っていた娘・女王エリザベス1世は女王の肖像画を贈った。

◆「ロイヤルファミリー」もオリジナルは異なる。エリザベス2世は王女時代、第2次世界大戦が勃発すると父親を説得して英国の女性軍部隊に志願入隊した。補給車両の運行任務を担い、トラックのタイヤを交換し、地面の上で車両を整備し、同じ年頃らと共に服務した。1992年、ウインザー城の火災の復旧に天文学的な予算が投入されることに批判世論が起こると、王室の免税特権を自ら放棄したこともあった。即位60年の2012年に実施されたにアンケート調査で、ビクトリア女王、エリザベス1世を抜いて英国の最も偉大な国王に選ばれた背景だ。

◆エリザベス女王も、息子のチャールズ皇太子とダイアナ妃の離婚など、私的には苦しいことが少なくなかった。にもかかわらず93才を控えた年齢に関係なくノブレス・オブリージュ(指導層が持つ道徳的義務)を実践し、英国だけでなく世界的に愛と尊敬を受けている。崔順実(チェ・スンシル)ゲートによって、任期を満たせないかもしれない朴大統領が、エリザベス1世でなく2世だけでもしっかり分かっていたら良かった。王女のように権力の座に就いた大統領が果たしてどのような姿でおりて来るか心配だ。