
家族同士の対立が爆発する可能性の高まる名節の副作用を避けるため、各自の実家で名節を過ごす夫婦が増えている。「名節離婚」という言葉が流行するほど対立が深刻になったことを受け、最初から名節を配偶者とは別々に過ごす苦肉の策であり、特段の措置ともいえる。
子供のいない共働き主婦のユン氏(37)も、実家の母と旧正月を一緒に過ごした。一人娘であるユン氏は結婚後、夫を亡くした母が名節に一人で過ごすことを知りながら、そのつど夫の実家で、姑から義姉夫婦が来てから行くように言われたことへの不満が大きかった。今回も寂しく過ごすはずの母親が気になったユン氏は、夫に旧正月連休を別々に過ごすことを宣言した。
結婚17年目のキム・サンフン氏(57)は、妻に対して先に旧正月は別々に過ごしたいと提案した。両親のいる慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)までは遠い上、行き来する間に、夫の実家への苦情を吐き出す妻としきりに口喧嘩をするのも嫌になったため、「自分一人での帰省」を選んでから今年で2年目となる。
家族間対立が増幅する名節期間中の些細な口論が、もみ合いにまで拡大することもある。名節期間中の家庭内暴力通報件数が年々増加していることからもわかる。警察庁によると、名節期間中の家庭内暴力通報件数は、2014年の7737件から2015年は8491件に増え、昨年は1万622件へと急増した。
「自分一人の名節」夫婦が増えている現象について、専門家らは、対立を避けるよりは、夫婦が一緒に解決のために努力する必要があると指摘している。韓国親教育研究院のイ・べヨン院長は、「家族同士の感情的連帯が消える家庭で現れる社会的現象だ」と主張しながら、「各自が別々に名節を過ごすことが根本的解決策ではないだけに、顔を合わせて対立を解決しようと努力する姿勢が必要だ」と話した。
崔고야 best@donga.com