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「体内にインターネット接続機能も」 世界の碩学が懸念する極端主義社会

「体内にインターネット接続機能も」 世界の碩学が懸念する極端主義社会

Posted June. 16, 2016 07:30,   

Updated June. 16, 2016 07:39

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「ネットを通して得た短絡的かつ選り好みして取り入れた知識こそ心理であると思い込む態度は極端主義をあおっている。米国オーランドでの銃乱射事件は極端に走っている悲しい社会の一面である」

認識論分野の碩学マイケル・リンチ氏(Michael Lynch=米国コネチカット大学哲学科教授)は、「人間ネット」(社会評論)出版記念に15日、ソウルのレストランで開かれた懇談会で極端に走る現実について切実な懸念を表明した。

リンチ氏は、「人間ネット」とについて、人間がネットワークの中に組み込まれた時代であると定義付けている。すべての物事がインターネットで繋がる時代になると、ネットに接続できる機能が人間の体内に組み込まれることもあると予想する。

「これはメタファーではない。実際、それは試されている。グーグルの創業者であるラリーペイジは人間の脳に電極を入れてネットにつなぐ社会を作りたいと語りました」

しかし、リンチ氏はネットから仕入れた知識に頼るようになり、人は深く考えないようになっている現象が広まっていると指摘した。また、自分の立場を裏付けるような知識のみを受け入れ、開かれた態度をとることができず民主主義も脅威に晒されていると危惧した。

「たくさんの知識を持っているけれども、世の中とお互いに対する理解が乏しくなっているというのはインターネット時代のパラドックスです。知識を無条件に受け入れるのではなく、合理的な根拠は何なのかを問い正し、自らその答えを調べる努力が必要です」

その上で、ネットに頼らず情報を得たり、その場合、どのような方法が可能なのかを想像してみるような訓練を勧める。

「当然だと思っていることに疑問を持ち、『真の知識』とは何ぞやを考えてみる余地があるということに気づくでしょう。批判的な考え方や理解は物事を知る上で重要なやり方です」



손효림기자 ソン・ヒョリム記者 aryssong@donga.com