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大江健三郎の最後の小説『水死』が出版

Posted March. 16, 2015 07:21,   

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ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏(80)の自伝的長編小説『水死』(文学トンネ)が出版された。2009年に日本で出版された小説で、世宗(セジョン)大学の朴裕河(パク・ユハ)教授が翻訳した。大江氏は13日、ソウル麻浦区西橋洞(マポク・ソギョドン)にあるカフェで開かれた出版記念懇談会で、「初めてノンフィクション的な告白を入れた作品で、私の人生の小説を書くことは終わった。これからは平和と日本人の生活の問題についての発言やエッセイが多くなるだろう」と話した。

小説の主人公・長江古義人は、大江氏の小説で何度も彼の分身として登場する小説家だ。長江は幼い時、父親が洪水で増水した川に船を出して水死した理由を知るために、生涯「水死小説」を書くことに専念する。超国家主義者である長江の父親は、日本が戦争で敗れる兆しが見えると、天皇と共に死ぬために帝都を自爆攻撃する計画を立て、失敗する。大江氏は、「帝都自爆攻撃は、日本国家主義、全体主義の伝統の滅亡を意味する」と話した。

小説には、日本の慰安婦強制動員を批判する内容もある。長江の協力者である劇団女優ウナイコは、官僚の伯父に強姦され、中絶させられる。大江氏は、「日本が戦争を起こした背景には男性主義的暴力性がある。慰安婦問題も女性に対する暴力を正当化する日本の後進性のために起きたことであり、謝罪しなければならない」と主張した。



tigermask@donga.com