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[社説]セクハラ被害を相談しながらセクハラをした人面獣心の師団長

[社説]セクハラ被害を相談しながらセクハラをした人面獣心の師団長

Posted October. 11, 2014 04:04,   

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陸軍現役のS師団長(少将)が、執務室で女軍部下にセクハラを行った容疑で、昨日、拘束令状が請求された。飲酒を巡る醜態で、申鉉惇(シン・ヒョンドン)1軍司令官が退役処分を受けたのがわずか1ヵ月あまり前のことなのに、再びこのような出来事が起こった。韓民求(ハン・ミング)国防長官は、緊急の全軍主要指揮官テレビ会議を開き、「最近の一連の軍綱紀の緩みによって起きた出来事は、国家安保を蝕む利敵行為だ」と叱咤したが、むなしく聞こえる。

軍統帥権者の朴槿恵(パク・クンへ)大統領は8月13日、緊急の全軍主要指揮官会議を直接主宰し、軍内の根深い反人権的積弊を無くすべきだと、指示したことがある。S師団長は9月まで、領内の執務室で、女軍下士を無理やり抱くなど、5回もセクハラを行った。彼が、某上士からセクハラを受けた女軍下士を呼んで、励まし、相談する場で、初のセクハラを行ったなんて、卑劣極まりない。大統領や国防長官の指示が、高官の将軍らにもあまり受け入れられていないことを裏付ける出来事ではないか。

軍将校らの深刻な綱紀緩みについて、国防長官を歴任したある軍元老は、「軍人事に外部の影響力が働くのと無縁ではない」と指摘した。軍は階級社会なだけに、どの組織よりも人事が公正であってこそ、有能な人材が指揮を担い、精鋭かつ強力な軍隊を作ることができる。しかし、大統領府や政治圏が軍人事を揺さぶり、将軍らは、部隊をうまく統率して評価を受けるよりは、「コネ作り」に気を使わざるを得ないという。最近の軍人事でも、国防部が提案した将軍進級者が、6人も入れ替えられたという。そのため、「軍高官が、政権安保の影武者に転落し、我が国防を飛べない鶏にしてしまった」という声まで出ている。

作戦や警戒失敗、軍紀事故などの過ちについて厳しく信賞必罰をしなかったことも、綱紀の緩みを招いた要因となっている。さまざまな軍紀事故について、甘い処罰を可能にした指揮官管轄命令制度など、軍綱紀の確立のために軍事法体系にメスを入れる必要がある。

最近の一連の出来事を見れば、果たして、軍が国民の生命や安全を守る国家安保の砦として、きちんと役割を果たすことができるか疑わしい。軍は、命令に従って、死ぬことも生きることもできる組織であり、指揮官が率先してこそ、領が立つ。軍紀はわずか一瞬でも乱れてはならず、綱紀の立たない軍隊は、強力な軍にはなれない。軍統帥権者の大統領から責任を痛感し、軍紀確立のための根本的な刷新策をまとめるよう、励ますべきだ。