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「なぜコメではなく核開発を選び、祖国は私たちを飢えさせるか」

「なぜコメではなく核開発を選び、祖国は私たちを飢えさせるか」

Posted February. 06, 2013 08:14,   

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「新義州(シンウィジュ)では3日に1時間、電気がつきました。それなのに核開発に何年分もの食糧を使うというのは、どういうことですか」

5日、北朝鮮と国境を接する中国遼寧省のある小さな村の脱北者集団の隠れ場。東亜(トンア)日報の記者に会った40代の脱北男性Aさんは、このように鬱憤を語った。Aさんは昨年11月、北朝鮮の某所から新義州を経由して中国に来た。ここで韓国のある人権団体の助けを受け、女性脱北者5人と共に韓国や第3国に行く準備をしている。

Aさん一行は、北朝鮮の3度目の核実験の予告に過敏に反応している。自分たちの運命にも影響を及ぼしかねないためだ。彼らは、北朝鮮の核武装は金氏王朝の継続のための手段にすぎないということを知り、虚脱感と怒りを露にした。

●「コメではなく核開発を選択するとは…」

Aさんが北朝鮮の核開発に反感を抱くようになったのは、中国に来て中国と韓国のメディア報道に接して実状を知ってからだ。北朝鮮にいた頃は、核保有だけが「米帝」の侵略に対抗して民族が生存できる方法だと考えた。Aさんは、「ここに来てみると、人工衛星を作って核開発をするために、(食糧など)配給ができないと言っていた。朝鮮にいた頃は、幹部が横取りしているためだと思っていたが、実は祖国がコメではなく、核開発を選択したために私たちが飢えてきたのだ」と憤った。

国防部によると、北朝鮮が核とミサイル開発に投じた費用は28億〜32億ドル(約3兆〜3兆4000億ウォン)で、北朝鮮住民に31〜36ヵ月分の食糧を供給できる金額だ。

潜伏中の脱北者の中には、A氏とは違って、窮乏に耐えながらも国防力を強化しなければならないという先軍政治の洗脳からまだ抜け出せていない人もいた。宿舎に7ヵ月間滞在しているという60代の女性脱北者Bさんは、「大きな勢力(米国)に飲み込まれないために人工衛星を打ち上げたのではないのか。朝鮮の国防力が強いので、まだ自主国でいられる」と主張した。

しかし、彼女の主張は仲間の反論にあってすぐに否定されてしまった。平壌(ピョンヤン)出身の女性Cさんは、「熙川(ヒチョン)発電所が完工したので電気がつくようになると思ったが、平壌郊外ではテレビを見る夕方2時間、明け方2時間を除いて電気は使えなかった」とし、「昨年末からは電気供給がさらに減った」と話した。昨年4月に完工した慈江道(チャガンド)の熙川発電所は、北朝鮮が力を入れた事業だったが、手抜き工事で、金正日(キム・ジョンイル)総書記はこのためにストレス性心筋梗塞で亡くなったといううわさまで流れた。Cさんは、「先日来た人から、1月28日から政府が電気を再び送ると言ったという話を聞いたが、どうなったか分からない。もうミサイルが成功したと聞いてもうれしくない」と話した。

●「党幹部の反対で経済改革は実施されず」

北朝鮮が、昨年にミサイルを打ち上げ、今回3度目の核実験を準備している間に、経済は悪化し続けたと脱北者は証言した。昨年議論された経済改革は言葉だけで、全く実施されなかったという。



koh@donga.com