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[オピニオン]偶像3代

Posted November. 23, 2012 08:51,   

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近代哲学である英国経験論の始祖、フランシス・ベーコン(1561〜1626)は、著書『ノヴム・オルガヌム—新機関』』で、人間が正しい知識を得るために捨てるべき4大偶像として、種族、洞窟、市場、劇場を提示した。金容沃(キム・ヨンオク)氏は、偶像を「私たちの心に居座る権威の象徴」と定義した。自由主義思想の基本となった社会契約論は、平等で理性的な個人間の契約を社会と国家成立の根拠とした。当然、偶像は打倒の対象だった。

◆20世紀に入り、無産者革命で全世界の半分近くを掌握した共産圏は、宿命的に偶像化作業に没頭した。不十分な正統性を象徴操作で美化できなければ社会を統制できないという強迫観念が作用した。エジプトのツタンカーメンを見たソ連のスターリンは、「革命の父」レーニンが1924年に死亡すると、遺族の反対にもかかわらず、レーニンを赤の広場の霊廟に永遠に安置した。生前にすでに「万能の天才」、「偉大な組織者」であり、ロシア正教会から「我らの父」と崇められたスターリンは、全国に自分の銅像を建て、永生の革命指導者になろうとした。

◆北京の天安門広場で最初に目につくのは、6×4.6メートルの超大型肖像だ。広場の向かいには防腐処理された毛沢東が永眠している。1人民元から100人民元までの中国で発行されている6種の紙幣の人物はすべて毛沢東だ。「毛沢東主席の一言は我々の一万言に値する」と言って始まったのが文化大革命だ。紅衛兵は、毛沢東を偶像化する大規模キャンペーンを行い、毛沢東に忠誠を尽さない公職者を死へ追いやった。

◆北朝鮮の金日成(キム・イルソン)王朝は、個人の偶像化を越え、家門を偶像化した。北朝鮮は3代目継承者、金正恩(キム・ジョンウン)を偶像化する560メートルの称賛物が設置された。「先軍朝鮮の太陽金正恩将軍万歳」という文字は、グーグル・アースでも鮮明に見えるほど大きい。「松かさで手榴弾を作り、枯れ葉に乗って川を渡った」(金日成)、「生まれて初めてのラウンドで11回のホールインワンを含む38アンダーの記録を樹立」(金正日)から出たDNAを受け継いだ。紀元前、プラトンは国家論で、洞窟に閉じ込められた囚人が光でできた影を宇宙であると錯覚する現象を洞窟の偶像と言った。北朝鮮住民は、「洞窟の偶像」が虚像であることをいつ悟るのだろうか。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com