Go to contents

[社説]新アジア外交構想への期待と憂慮

[社説]新アジア外交構想への期待と憂慮

Posted March. 09, 2009 08:33,   

한국어

李明博(イ・ミョンバク)大統領が8日、韓国のアジア外交の地平を、北東アジアから東南アジア、中央アジア、西南アジア、南太平洋までを網羅するアジア全体に広げると宣言した。いわゆる「新アジア外交構想」であり、すべてのアジア国家を相手に、金融危機、グリーン成長などの懸案だけでなく、経済、安全保障、文化の面で、相互協力と共栄の基盤を拡大するということだ。就任から1年間、4大国中心の外交であげた成果を踏み台に、外交舞台を多様化しようという自信が感じられる。

アジアは、世界人口の52%にあたる38億の人口と世界GDPの21%(10兆7千億ドル)、貿易の26%(8兆ドル)を占めている。韓国の場合、貿易の48%、海外投資の53%が、アジアの国々が相手だ。李大統領の今回の南太平洋歴訪でも、ニュージーランドとオーストラリアは、李大統領の自由貿易協定(FTA)交渉開始提案に応じ、インドネシアは、清浄エネルギー開発に向けた20万ヘクタールの造林地の提供を約束した。協力拡大の必要性を如実に示している。

しかし、対アジア重視政策を推進したからといって、アジアが一瞬にして韓国の友人になるわけではない。アジアにおける韓国の位相と影響力は、中国、日本に比べて絶対的に劣勢だ。新アジア構想の成否は、その狭間で、韓国が韓国独自の役割を果たせるかにかかっている。

多くのアジアの国々は、韓国のように、中国と日本に対して、歴史的、地理的にある種の被害意識を持っている。このような歴史的感情の共感とともに、大国と発展途上国の中間に位置する中間国家としての利点を活用する必要がある。韓国が、オーストラリア、インドネシアとともにG20加盟国として、世界的な経済危機の解消に協力することは、一つの事例になる。

政府は、「国際舞台でアジアの利益を代弁する」とまで言ったが、慎重になる必要がある。過去の政府でも、「北東アジア中心国家」だの「ハーブ」だの言って騒ぎ立てたが、周辺国と関係国の反感を買っただけで、実益はなかった。李政府も、公にエネルギー外交と韓米同盟の復元を強調することで、一部否定的な反応を招いた経験がある。言葉やレトリックよりも、実質が重要だ。低姿勢でなければ、アジア重視政策の成功は難しい。虚勢よりも「実用」を求められるのが「新アジア」構想だ。位相に応じて行動し、実力を育てなければならない。