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オランダ元首相夫妻が安楽死

Posted February. 13, 2024 09:07,   

Updated February. 13, 2024 11:16

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オランダのドリス・ファン・アフト元首相夫妻が5日、自宅で「同日、同時に」死去した。93歳で共に安楽死を選んだのだ。アフト氏が2009年に設立した「権利フォーラム」研究所は、70年間連れ添ったアフト氏と妻のユージェニー氏が闘病の末、「手をつないで」死を迎えたと明らかにした。

1977年から5年間、首相に在任したアフト氏は、学生時代に出会った妻を常に「私の愛しい人(my baby girl)」と呼ぶなど、愛情を示したことで有名だった。アフト氏は2019年のパレスチナ追悼行事で脳出血を起こし、後遺症が残った。その後、ユージェニー氏も健康状態が悪化した。2人は互いに「お互いなしでは生きられない」と話していたと、権利フォーラムは伝えた。2人には3人の子どもがいる。

2002年に世界で初めて安楽死を合法化したオランダは、患者が耐え難い痛みに苦しみ、治療の見込みがなく、死にたいという意思を明確に示すなど、6つの基準が満たされた場合、安楽死を行っている。22年にオランダで安楽死を選んだ人は8720人にのぼる。

そのオランダでも、同伴安楽死は4年前に初めて行われた。20年の13組から始まり、22年には倍以上の29組に増え、増加傾向にある。ほとんどは自宅で行われた。2人が自発的に慎重な選択をしたことを確認するため、医療スタッフが必ず一人ずつ別々に意思を聞いてから行う。

オランダの安楽死専門センターの広報担当者であるエルカス・スヴァルト氏は、同伴安楽死が珍しい理由について、英紙ガーディアンに、「2人が同時に激しい苦痛を経験し、治療の見込みがなく、共に死を望む可能性は極めて低い」と説明した。

アフト氏は、オランダではほぼ初めて公然とパレスチナ擁護活動を始めた人物だ。カトリックの家庭で育ったアフト氏は、キリスト教民主同盟(CDU)所属で政界入りし、司法相と首相、外相を歴任した。その後、1999年にユージェニー氏と聖地巡礼をした際、パレスチナ問題の深刻さに気づいて活動に乗り出し、2021年に離党した。


洪禎秀 hong@donga.com