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総選挙前に無人機侵入の可能性、「再武装完了」監視所で挑発する可能性も

総選挙前に無人機侵入の可能性、「再武装完了」監視所で挑発する可能性も

Posted January. 06, 2024 08:27,   

Updated January. 06, 2024 08:27

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北朝鮮が2018年の「南北軍事合意」の全面破棄を宣言した後、合意書に明記された海上緩衝区域の無力化に本格的に乗り出したことを受け、韓国軍内部では「合意破棄の範囲が陸上から海上に拡大された」という意見が出ている。北朝鮮は最近、軍事合意後に建物を撤去して非武装化した非武装地帯(DMZ)内の監視所(GP)を木材を使った一時的な復元ではなくコンクリートを利用して「完全復元」するなど、陸上での合意破棄に踏み切った。さらに、海上にその範囲を拡大したことから、近く空中での合意無力化に露骨に乗り出すという観測も流れている。また、海岸砲や放射砲をNLL以南に発射するなど、陸上と海上での合意破棄のレベルも大幅に引き上げるものと予想されている。

軍関係者は5日、「北朝鮮は現在、昨年公開した『セッピョル4』など新型無人機と既存の無人機を使って、平壌(ピョンヤン)上空などを中心に対南潜入及び偵察訓練を行っているが、これを最前方地域に投入して軍事境界線(MDL)での軍事的緊張のレベルを引き上げる可能性に注目している」と述べた。

22年12月に北朝鮮が無人機5機を韓国に侵入させ、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室付近の上空まで送り込み、韓国国内の対立を引き起こし、社会不安を生むことに成功した。そのため、北朝鮮は今回も、無人機を大統領室など重要施設の付近に同時多発的に侵入させる可能性が指摘されている。改善された無人機の性能を誇示する一方、無人機を送って時と場所を問わずテロを強行できることを示し、国民の不安を増幅させようとするということだ。

MDL周辺では、最近コンクリートで「完全復元」を終え、高射砲など重火器まで大量に搬入した非武装地帯内の南北近接監視所を活用して、ここから復元中の韓国軍の監視所に対して射撃するといった挑発の可能性も高いとみられている。17年9月の6回目を最後に実施されていない核実験を電撃的に行い、核武力完成の原因は、軍事合意上の飛行禁止区域条項の効力を停止し、合意の全面破棄を招いた韓国にあると宣伝するという見方もある。

西海に続き、東海の緩衝区域で砲撃を行う一方、監視所から韓国監視所を攻撃し、無人機を飛ばすなど、陸海空同時挑発のシナリオもある。

チョン・ソンフン元統一研究院長は、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が昨年末、南北関係を同族関係ではなく交戦国と規定したにもかかわらず、5日の北朝鮮の西海岸緩衝区域内の砲撃では約200発のうち1発もNLL以南に着弾させなかった。やや守勢的な挑発だった」とし、「北朝鮮は今後、明示的に休戦協定に違反する行為をするよりも、哨戒艦『天安(チョンアン)』沈没のように挑発主体を確認しにくい方法で挑発を強行する可能性が高い」と分析した。


孫孝珠 hjson@donga.com