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「話を聞いてもらうだけでも困っている人には大きな力になります」

「話を聞いてもらうだけでも困っている人には大きな力になります」

Posted January. 01, 2024 08:18,   

Updated January. 01, 2024 08:18

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「話を聞いてもらうだけでも、困っている人には本当に大きな力になります」

物質的には豊かになったが、精神の貧困を訴える時代。昨年12月29日、ソウル永登浦区汝矣島(ヨンドゥンポグ・ヨイド)の純福音教会で会った純福音相談所のイ・ミオク先任牧師(相談総括)は、「悩みを聞いてもらうだけでも、人生の勇気を得る人が多い」とし、このように話した。今年で設立44年目となる同相談所の「アガペー電話」(旧愛の電話)では、約80人のボランティアが月平均500通の相談電話を受けている。

――近頃は、どんな悩みの相談が多いですか。

「家族の問題、職場の問題、物質や対人関係など悩みの種類はだいたい以前と似ています。ところが最近は社会的に非婚、単身世帯が増えているため、それによる寂しさや対人関係の相談が多くなりました。家族とも交流がほとんどなく、仕事はしているものの会社でもうまく付き合えない人たちです。そのため、転職を繰り返し、質の良い職場からどんどん遠ざかっていくという悪循環が繰り返されるのです。」

――相談だけで問題が解決されたり、治療されたりする場合もありますか。

「電話相談を要請する人の多くは問題解決よりは、どこか自分の話を聞いてもらう所がないので、こちらに電話する場合が多いです。そういう人たちは自分の話を聞いてくれる人がいる、聞いてくれるところがあるということだけでも生きていく上で大きな力を得ます。カウンセリングに効果があるという証拠です。それで、このような人たちは相談を通じて力を得て生きていて、またつらくなったら電話するというパターンを見せます。もちろん電話相談という性質上限界があるので、根本的な問題解決や変化を引き起こすことは容易ではありません」

――他人の悩みを聞くというのは簡単なことではないと思いますが。

「使命感がなければ、無理です。アガペー電話では約80人のボランティアがそれぞれ1日3時間ずつ相談電話に応じますが、始める時に30分間だと話しても、時間をオーバーする場合が多いです。話すところがなくて、やっと勇気を出したのに、時間になったからといって切ることはできませんから。彼らとしては死にそうな苦痛を何とか乗り越えようともがいているのかもしれないじゃないですか。そして本当に言いたいのは、家族や友人、知人から悩みがあると言われた時に『それぐらいのことで…・・・』というふうに軽く話さないでください」

――軽く話さないでとはどういう意味ですか。

「私からすれば大したことではないことでも、誰かにとっては人生そのものが根こそぎ否定されるような苦しいことかもしれません。しかし、誰もが経験することだからといって、『そんなことで、何泣いているの』『時間が経てばすべて良くなる』というふうに、大したことではないように言われる場合が多いです。そうすると、口を閉じて助けを求められなくなります。そういう状態で時間が経つと問題も大きくなります。相談してみると、家族や周りの人がもう少し気を付けていたら、ここまで大事にならずに済んだかもしれないケースをよく見ます。誰かが『辛い』と言ったら、『生きるために私に助けを求めているんだ』と思ってください」


李鎭求 sys1201@donga.com