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EV販売ペースに急ブレーキ、超格差と供給網を整備するチャンスにすべきだ

EV販売ペースに急ブレーキ、超格差と供給網を整備するチャンスにすべきだ

Posted November. 06, 2023 08:38,   

Updated November. 06, 2023 08:38

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自動車市場をすぐにでも飲み込む勢いだった電気自動車(EV)の販売ペースに、最近急ブレーキがかかっている。先端製品を消費する「アーリーアダプター」の需要の大半が満たされているうえ、金利高の長期化や高い価格、補助金縮小、充電インフラの不足などが重なったためだ。半導体に匹敵する成長エンジンになると期待してきた韓国EV・バッテリー産業の未来にも、不確実性が大きくなっている。

世界2位の自動車メーカーのフォルクスワーゲンは最近、欧州の今年のEVの注文台数は昨年の半分である15万台に縮小されたと明らかにした。ドイツの新規工場の設立計画も白紙化した。ストライキの事態を経て人件費の負担が増えたゼネラルモーターズ(GM)やフォード、ステランティスの米国自動車「ビッグ3」は、一斉にEVへの投資を減らしたり、発売を延期した。EVの先頭走者であるテスラは先月、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が半分に減った営業利益を発表し、需要減少を見込んだ後、株価が急落した。

グローバル自動車メーカーの投資遅れは、彼らと手を組んでバッテリーを生産しようとした韓国企業に悪影響を及ぼす。LGエネルギーソリューションやSKオン、三星(サムスン)SDIなどのバッテリー生産メーカーはもちろん、韓国国内バッテリー素材企業の株価が激しい劣勢を見せているのはそのような理由からだ。さらに、欧州連合(EU)は、自分の域内で生産されていないバッテリーに対し不利益を与えるよう、規制を強化している。

今回の不況は、EV・バッテリーのグローバル市場で企業順位を変える重大な転機になる見通しだ。一時「EVへの出遅れ」が指摘されていたトヨタが最近、米ノースカロライナ州に建設することにしたバッテリー工場に、11兆ウォンを追加投資することを決めたのは、そのような面で注目される。中国販売を基盤に輸出まで増やしている比亜迪(BYD)は、第3四半期の売上が1年前より40%近く急増した。近いうちにテスラを超え、新エネルギー車のグローバル1位に躍り出る勢いだ。

このような状況で、世界3位の自動車メーカーである現代(ヒョンデ)自動車・起亜(キア)自動車は、「ハードルがあってもEV市場は成長するだろう」とし、攻撃的な投資計画を維持すると明らかにした。このような時こそ、バッテリー企業も次世代の全固体バッテリーの開発などに拍車をかけなければならない。韓国の自動車産業は、世界的な金融危機や新型コロナのような危機を迎えるたびに、さらに急速に成長した。今回の「EV・バッテリーの氷河期」を超格差競争力の確保やグローバルサプライチェーン整備の機会にしてこそ、次のEVの好況サイクルの時にさらに高く跳躍できる。