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「スマートクッキー 」金正恩

Posted May. 03, 2017 09:04,   

Updated May. 03, 2017 09:05

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)が、1人支配体制をきちんと固めた時点は、昨年5月の第7回労働党大会とみられる。金正恩は党大会後、「労働党書記」という肩書きを新たに得た。祖父の金日成(キム・イルソン)に劣らない権威を確保したのだ。このほか、党中央軍事委員会委員長、人民軍元帥、国防委員会第1委員長など、金正恩についた呼称をすべて合わせると9つにのぼる。この党大会で、父親の金正日(キム・ジョンイル)は「卓越した首領」に、金日成は「偉大な首領」に、それぞれ呼ばれた。白頭(ペクドゥ)血統でなくては、誰も覗うことのできない権力の結晶といえる。

◆北朝鮮を離れると、金正恩の権威は雲泥の差で違ってくる。中国だけでも金正恩は「金三胖」、すなわち、デブ3世と呼ばれて久しい。中国インターネットコミュニティで、この単語を検索すると、「関連法律、法規、政策に基づいてしばらく開放しない」という一節が出てくる。北朝鮮が検索ブロックを要求したという話が聞こえるが、中国は公式には認めていない。スイスでの留学時代、金正恩のニックネームは「Dimジョンウン」だったという。「ぼんやり金正恩」という意味だ。

◆トランプ米大統領が先月30日(現地時間)、フォックスニュースとのインタビューで、金正恩を「非常に利口なやつ(pretty smart cookie)」と評価して問題になっている。「cookie」は、祖父が孫ぐらいに年の離れた目下の人を呼ぶ愛称で通じている。71歳のトランプ大統領の目には、33歳の金正恩が、「若者」に映るかもしれない。オバマ政権時代、ジョン・カービー国務省報道官は金正恩を「若者(young man)」とさげすんだことがある。

◆トランプ大統領の寛大な金正恩への評価はかなり異例といえる。昨年の大統領選挙時は、「気違い(maniac)」または「悪いやつ(bad dude)」と金正恩を非難した。好感を持てない人物から好感を持てる人に呼称が変わったその背景には、トランプ大統領の狙いがありそうだ。その下心はさておき、このように呼称が激しく変わるのは米大統領らしくない。そういえば、オバマ大統領に向かって、「邪悪な黒い猿」と悪口を浴びせかけた北朝鮮は言うまでもない。