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[オピニオン]バターを愛する健康学

Posted October. 18, 2016 09:25,   

Updated October. 18, 2016 09:26

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牛乳から脂肪だけを抽出したバターは、最も古い自然食品の一つと言われている。その起源は人類が初めて動物を家畜として飼った時にまで遡る。バターは風味を加える材料を超えて、幅広く使われてきた。古代ローマでは、咳をした時に飲む薬、又は痛いところに塗る軟膏としても活用された。インドのヒンズー教徒たちは今も、クリシュナ神にバターを捧げる。

◆韓国人が「ご飯の力」で生きていた時代、多くの人たちは超簡単なバターご飯を好んで食べた。炊き立ての熱々のご飯に、ひとかけらのバターを乗せ、しょうゆを入れて混ぜれば終わり!経済事情が少しましな家では、チャンジョリム(肉の煮つけ)のしょうゆを入れて、ごま油を加えた。最近、「料理番組」で、「ホランナビ(アゲハチョウの意)」の歌手・金興國(キム・フングク)は、バターご飯を食べては、「亡くなったおふくろの味だ。母が恋しくなる」と涙ぐむ表情を見せた。バターとご飯との素朴な二重奏、5060世代には「おふくろの味」を思わせる思い出の味だ。

◆100グラム当たりのカロリーが700カロリー以上もあるバターは、代表的高脂肪食品だ。にも拘わらず最近はダイエット食品として注目を集めている。先月、テレビでご飯やパンなどの炭水化物は少なめに食べ、バターや肉類などの高脂肪の食べ物を食べるのが、健康やダイエットによいと紹介された後、バター不足現象まで起きている。とある大手スーパーは、9月中旬からバターの販売量が昨年同期より約40%も伸びた。バターブームがダイエットの勢力図を総なめし、三枚肉をバターに焼いて食べる三枚肉バター焼きまで登場した。シニア世代なら、想像だけでも胃もたれしそうなメニューだ。

◆炭水化物を極端的に減らし、高脂肪食事療法すれば、一時的に体重が落ちるかもしれないが、栄養不均衡や血中コレステロールの上昇など、副作用に耐えなければならない。ダイエットも、「新商品」で消費される時代といえる。皇帝ダイエットに旧石器ダイエッドや高脂肪献立まで、炭水化物の摂取を制限する食事療法が続いている。豊作にもコメ価格の暴落を懸念し、「憂鬱な豊年」を迎えている農民たちにとっては、泣き面に蜂といえる。健康とダイエットの二兎を得る道は、誰もが知っている通り、バランスの取れた献立や運動が正解だ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com