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イラン観客の狂的応援がおとなすくなる? 韓国戦の日はシーア派追悼日

イラン観客の狂的応援がおとなすくなる? 韓国戦の日はシーア派追悼日

Posted October. 10, 2016 09:19,   

Updated October. 10, 2016 09:22

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イランのテヘランにあるアザディ・スタジアムは「アウェーチームの墓」と呼ばれる。

標高1300メートルの高地に位置しているため、選手たちの体力消耗が激しい上、数万のイラン観客による狂気を帯びた応援がアウェーチーム選手たちに威圧感を与えるからだ。韓国も、これまでのイランアウェーで2分4敗と勝利がない。1996年にアラブ首長国連邦で開催されたアジアカップで、イランが韓国に6-2で大勝を挙げた後、イランのサポーターたちは自国で韓国と対戦するたびに、数字の6と2を顔に描いてヤジを浴びせる。イランアウェーに3度出場した李青龍(イ・チョンヨン=クリスタル・パレス)は、「大勢のイラン観客は、心理的に大きな重圧感を感じさせる」と話した。

しかし、11日にアザセィ・スタジアムで行われる2018ロシアW杯アジア最終予選の第4戦では、イランファンの応援が、過去に比べて相当おとなしくなりそうだ。試合日がイスラム教シーア派の殉教追悼行事である「タアズィーヤ」と重なるからだ。イマーム・フセインの死を悼む行事「タアズィーヤ」の日にはお祭りを楽しんだり、踊って歌う行為が禁じられる。当初、イランサッカー協会は、アジアサッカー連盟(AFC)に試合日の繰り上げを要請したが、アウェーチームの韓国の休憩期間が短くなることを理由に拒んだ。

英紙インディペンデントなどによると、イランのイスラム聖職者を中心に「タアズィーヤ」の日にサッカー試合を行うことへの批判が巻き起こっているという。同紙は、「聖職者たちはタアズィーヤの神聖さが損なわれるよりは没収試合で負けた方が増しだと主張している」と報じた。保守派聖職者のアヤトラ・ムハンマド・ヤズディは、「イランがゴールを決めるとき、サポーターたちが飛び上がって喜ぶのは追悼日に相応しくない行動だ」と話した。

大韓サッカー協会の関係者は、「追悼日に試合が行われるうえ、アザディ・スタジアムが昨年、スタンドの工事をして、収容人員が10万にから8万人に縮小され、イランファンの応援が、どうしても過去に比べて弱くなりそうだ」と話した。国立外交院の印南植(イン・ナムシク)教授は、「タアズィーヤは、シーア派にとっては極めて悲しい日であると同時に、アイデンティティーの根拠となる最も重要な日」とし、「政府レベルで応援を規制することはしないだろうが、ガイドラインくらいは示すとみられる」と話した。

こうした動きは、韓国ファンの応援にも影響を与えそうだ。

インディペンデント紙によると、イランサッカー協会は、駐イラン韓国大使館に、「韓国人ファンは、試合当日に明るい色の衣装を着用せず、大声での応援を自粛して欲しい」と要請した。印教授は、「タアズィーヤは黒い服を着る日なので、『赤い悪魔』のシンボルである赤色のシャツを着て競技場に入るのは、困るかもしれない」との見解を示した。大韓サッカー協会の関係者は、「協会レベルで応援の自粛などについて公式に要請を受けたことはない。ただ、イランサッカー協会が、韓国人ファンは黒色のリボンをつけてほしいと、韓国大使館に協力を求めたと聞いている」と話した。



정윤철기자 チョン・ユンチョル記者 trigger@donga.com