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セウォル号船長に殺人罪確定、大型事故に初の無作為殺人を適用

セウォル号船長に殺人罪確定、大型事故に初の無作為殺人を適用

Posted November. 13, 2015 07:43,   

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大学修学能力試験(修能)が行われた12日、最高裁判所は旅客船セウォル号元船長のイ・ジュンソク(70)被告に対し、殺人罪を認め、無期懲役を確定した。昨年、セウォル号の惨事によって犠牲となった檀園(タンウォン)高校2年生の生徒たち(250人、行方不明者4人を含む)が生き残っていたなら、修能試験を受けていたはずの時間だった。

最高裁全員合意体(主審=金昭英最高裁判官)は同日、セウォル号の乗組員15人に対する上告審で、イ被告には殺人罪を認めて、無期懲役を判決した原審を全員一致で確定した。災害事故で総括責任者が当然負うべき救助義務を果たさなかったことによる人命被害について、「不作為による殺人罪」を初めて認めた判決だ。最高裁は、「イ被告は、セウォル号の総責任者として絶対的な権限を持って状況を支配していたにも関わらず、退船命令を下さずに乗客を見捨てて脱出した行為は乗客らを溺死させたのと同様だ」と明らかにした。

最高裁は、イ被告は操舵室の放送装備で簡単に乗客らに退船命令を下すことができたのに、乗客の安全には全く関心がなく自分ひとり助けられたいという一心で脱出しており、脱出後もなんら救助措置を取らず、身分を騙したまま海洋警察の救助艦に隠れていたことは、船長の役割を故意に全面的に放棄したものだと判断した。セウォル号と交信していた珍島(チンド)のVTSから乗客たちの脱出如何について判断してほしいという要請があったにもかかわらず、それを無視した行為も考慮された。イ被告の行為は単に、乗客らの死亡を予測したレベルを超え「乗客らは死んでも構わない」という気持ちから始まったものであり、未必の故意が成り立つと判断したのだ。セウォル号事件を捜査してきた検事は、「事件を捜査すればするほど、イ被告への一抹の同情心すら消えるほど、彼は乗客の安全には徹底的に無関心だった」と言い、「最高裁がイ被告の殺人罪を認めたことで、犠牲者の魂を少しでも慰めることができればと思う」と話した。

しかし、最高裁はイ被告と共に殺人罪で起訴された一等航海士のカン・ウォンシク(43)や2等航海士のキム・ヨンホ(48)、機関長のパク・ギホ(55)被告の3人は、多数意見で殺人罪は認めなかった。彼らはイ被告の命令無しには独自的に行動できる立場ではなかったと見たのだ。これについて、朴保泳(パク・ボヨン)、金昭英(キム・ソヨン)、朴商玉(パク・サンオク)最高裁判官は、「カン・ウォンシクとキム・ヨンホ航海士は事故当時、イ船長と一緒に操舵室にいながら、船長に対抗して救助措置を指揮する義務があった」として、殺人罪を認めるべきだという少数意見を出した。

同日、最高裁法廷には、セウォル号のリボンが書かれた黄色いジャンパーを全員で着たセウォル号遺族ら30人余りを含め、傍聴人が詰めかけてきたため180席が早くも埋まった。檀園高校生徒の遺族らが主に居住している京畿安山(キョンギ・アンサン)地域管轄裁判所の水原(スウォン)地裁・アンサン支院の法廷には、最高裁判所の裁判状況がリアルタイムで中継された。檀園高校2年8組だった故イ・ジェウク君の母親のホン・ヨンミ氏は「子供たちは天国で、友人たちを応援しているだろうと思っている」と涙を流した。長男を亡くしたキム某氏(46)は、安山支院で、テレビ画面で裁判を見守った後「今朝、生徒たちが試験会場に向かう姿を見て涙がこみあげてきた。うちの息子も試験で頑張るよう、お弁当を作ってあげるはずだったのに…」と言葉をつづけることができなかった。



djc@donga.com