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2人のマイケル氏が「世紀の討論」

Posted December. 04, 2014 08:13,   

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「企業の利益と社会全体の利益が重なる部分で新しい価値を創り出す共有価値創出(CSV・Creating Shared Value)で資本主義の多くの問題を解決できる」(マイケル・ポーター米ハーバード大学教授)

「経済の論理だけでは不平等を解決できず、企業同様国家の役割も重要だ」(マイケル・サンデル米ハーバード大学教授)

貧富の格差、青年失業、非正規の増加など資本主義の弊害に対する批判が大きくなる中、世界最高の経営戦略家であり「経営学のグル」と呼ばれる米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授(67)と「政治哲学の帝王」とされる同大学のマイケ・サンデル教授(61)がこの解決策について「世紀の討論」を行った。

2人の学者は3日、東亜(トンア)日報とチャネルAがソウル広津区(クァンジンク)のシェラトン・グランデ・ウォーカーヒルで開催した国内最高経営フォーラム「東亜ビジネスフォーラム2014」で、一寸の譲歩のない激しい論争を繰り広げた。彼らがインターネットでない公開の講演で討論したのは今回が初めて。

●「資本主義は依然として効率的」vs「非効率」

趙東成(チョ・ドンソン)ソウル大学名誉教授(経営学)の司会で行われた討論で、ポーター教授は、資本主義が生んだ問題は解決策もまた資本主義の中にあり、一部の弱点が体制の失敗を意味しないと述べた。これに向けてポーター教授が提示した概念が共有価値創出(CSV)だ。すなわち、適正量よりも多い砂糖を入れた製品で販売を増やした食品会社は、「どうすればより多く売れるか」という1つ命題だけ解決した。しかし、「私たちの製品が顧客の健康にもいいのか」を研究すれば、砂糖がなくてもおいしい製品を生み出すことができ、これが革新につながって企業、顧客、社会全体の利益が増大するという論理だ。

また、ポーター教授は、不平等の解決に向けて競争をダブー視して規制を増やせば、資本主義の純機能も打撃を受けると指摘した。米国の最低賃金の引き上げの試みも、雇用縮小と賃金が低い海外労働者の雇用拡大につながり、本来の目的と違った結果を生んだと説明した。

一方、サンデル教授は、「一定水準を超えれば、国家総生産(GDP)と所得が増えても人間の幸福と生活の質を向上させることはできない」とし、「韓国は類例のない経済成長を遂げたが、幸せな韓国人が少なく、社会葛藤が深刻なのがその例だ」と反論した。さらに、「資本主義の発達は、人と人との連帯感と所属感を弱め、不平等が実際よりも大きく見せている」とし、「これは金では解決できない」と付け加えた。

サンデル教授は、共有価値創出を通じて社会全体の効用が大きくなっても、これを配分する過程が持つ者の善意にかかっていることが多いことも問題だと指摘した。企業の利益が増えると、退職年金や健康保険、賃金引き上げ、非正規問題を解決できず、国家が公共の福祉の恩恵を増やさなければならないと強調した。

●「韓国社会は躍動的…発展の可能性が高い」

司会者の趙東成教授はサンデル教授に、「政府の財政は限界があり、多くの国で民主主義が危機を迎えているが、国家の介入が解決策になり得るのか」と質問した。これに対してサンデル教授は、「若者の教育と老人福祉の優先順位になるように、最近多くの問題が世代間対立の様相を帯びている」とし、「政治に幻滅する人が多いが、政治なしで経済問題を解決することはできない」指摘した。公益、倫理、道徳的価値に関して自分と意見が異なる人と討論して合意することが多くなくても今のところは最善だと強調した。

一方、2人の巨匠は、韓国社会の躍動性と発展の可能性について高く評価した。特にサンデル教授は、「韓国の経済民主化論争は印象的だ」とし、「与野党いずれも正義と不平等に関して活発な議論を行うことに高い点数をつけたい」と述べた。サンデル教授は、経済民主化論争は100年前の米国社会を想起させるとも述べた。ジョン・ロックフェラー、コーネリアス・ヴァンダービルトなどの巨大資本家と大企業の出現で彼らの影響力が大きくなり、労働時間の制限など労働者の権益を高めた制度が生まれたように、経済民主化論争が公益を増やして不平等を減らすことに貢献すると強調した。