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「韓国で学んだ医術、故国モンゴルで活用します」

「韓国で学んだ医術、故国モンゴルで活用します」

Posted August. 15, 2013 03:57,   

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「韓国では教授が皆親切で詳しく教育してくれるので、適応できました。ここでは思う存分実験室に残って研究でき、寝る時間を除いて毎日研究に没頭したので、ホームシックにかかる暇もありませんでした」

開発途上国の人材に対して約4年間、韓国での学費と生活費全額を支援する「李吉女(イ・ギルヨ)フェローシップ」の1人目の卒業生であるモンゴルのアンク・バイイェルシャイハンさん(31・女)の感想だ。今月21日に卒業する彼女は、モンゴルに戻って国立がんセンターに勤務する。

李吉女フェローシップは、2008年に嘉泉吉(カチョンギル)財団発足50周年を記念して始まった。国内の医療環境が劣悪だった1960年代に米国に渡って研修を受けた李吉女・嘉泉吉財団会長の意向だった。開発途上国に医療奉仕をするだけでなく、その国の医療人材を育てようという趣旨だった。

李会長は、「韓国よりも貧しい国の人材を最高の医師、医学者に育てなければならないと考えた。それが愛国であり人類の健康と幸福に貢献する道だ」と当時を振り返った。

財団は、開発途上国の国立医療院の病院長たちから推薦を受けた。激しい競争を勝ち抜いたアンクさんが、最初の奨学生に選ばれた。当時、モンゴル国立がんセンター腫瘍内科レジデントだった彼女は、「モンゴルではがんを早期に診断できず、多くの患者が死んでいる。がん研究のために外国で先進医術を学びたかったが、学費と生活費のためにあきらめていた」と話した。

アンクさんは、財団から年間1000万ウォンにのぼる学費と生活費月130万ウォン、研究材料費約5億ウォンの援助を受けた。韓国に4年半の間滞在し、嘉泉医科大学で分子医学を専攻し、修士・博士学位を取得した。李吉女癌・糖尿研究院で指導教授のイ・ボンヒ遺伝たんぱく質センター長の指導を受け、6編のSCI級論文に共同研究者として名前を載せた。国立がんセンターから6億ウォンを援助されて共同研究した結果をもとに卒業論文も提出した。

彼女の影響を受けて妹のデルギル・バイイェルシャイハンさん(23)も韓国に来て、昨年8月から修士課程で学んでいる。嘉泉大学医学専門大学院では、基礎医学を勉強すれば全額奨学金を与えられる。デルギルさんは、学費は無料で、生活費は李吉女癌・糖尿研究院で研究補助員として得た手当で生活をまかなっている。

アンクさんのもう1人の指導教授である嘉泉大医学専門大学院のビョン・ギョンヒ教授は、「多くのモンゴル人医師が韓国に来るたびに、アンクさんに連絡して学会の発表などを頼む。帰国するのが残念なほどの人材だ。今後モンゴル医学界の大物になるだろう」と期待を寄せた。

モンゴル国立がんセンターは新たに「分子病理室」という実験室を設置し、アンクさんが担当する。韓国で学んだ優秀な知識を活用して、モンゴルの医療技術を高めてほしいという要請が込められた支援だ。

アンクさんは、「いつか大学で学生を教える時、韓国の研究技術がどれほど進んでいるか必ず伝える。多くのモンゴルの学生が韓国で勉強する機会を得てほしい」と明るく笑った。