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[オピニオン]タリン・マニュアル

Posted April. 12, 2013 07:11,   

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先月20日に放送局と金融機関のコンピュータ・ネットワークをマヒさせたサイバーテロは北朝鮮偵察総局の主導で行なわれたと、政府が明らかにした。北朝鮮のミサイル攻撃に対して、「挑発の原点と支援勢力、指揮勢力まで10倍以上の報復をする」と言っていた政府がサイバーテロに対してはどのような対応をするのか、関心が集まっている。サイバーテロも交戦であるため報復しなければならないという世論が起きているが、国際法上容易でないのが現実だ。

◆戦争時の民間人と捕虜に対する保護を規定した「ジュネーブ条約」のように、サイバー戦争にも国際的な交戦ルールがあるのだろうか。現在のところ、北大西洋条約機構(NATO)のサイバー国際協力センターが作成した「タリン・マニュアル」があるだけだ。NATOはこのマニュアルでサイバー攻撃を「武力紛争」の一つと規定した。サイバーテロで人命や財産の被害があれば、実際に軍事力を使用することを可能にした。例えば、サイバーテロで地下鉄が衝突して死傷者が発生すれば、テロ国にミサイル攻撃ができる。しかし、このマニュアルは法的効力がなく、国際条約に対する議論が始まったばかりだ。

◆エストニアの首都タリンは2007年、政府、国会、報道機関、銀行などが数週間にわたって深刻なサイバー攻撃を受けた。タリンにあったソ連軍の銅像を郊外に移した時に、サイバー攻撃が始まったことからロシアが背後にあると見られたが、ロシアは否定した。その後、欧州連合は、タリンにNATOのサイバー国際協力センターを設置し、サイバー戦の研究と討論会を行なっている。タリンは、世界で最も長い「人間ベルト」を作って、バルト海3国をソ連から独立させた「無血革命」の発祥の地でもある。

◆韓国はインターネット環境が整っており、民間部門が肥大化し、サイバーテロに比較的脆弱だ。専門家たちは、事後対応だけでは不十分であり、防衛から攻撃までを包括するサイバー安全保障の方式に転換する必要があると助言する。米国も、サイバー軍を陸・海・空軍に続く第4軍に認定し、サイバー攻撃兵器を開発すると宣言した。最近、国家情報院をコントロールタワーとする「国家サイバーテロ防止法」が発議された。国家の安全保障として関連法制定の議論を急ぐ必要がある。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com