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[オピニオン]スマートフォンのリアルタイム反応

[オピニオン]スマートフォンのリアルタイム反応

Posted March. 21, 2013 03:11,   

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李明博(イ・ミョンバク)政府時代、大統領府で開かれる閣議や首席秘書官会議で、スマートフォンは少なからぬ活躍をした。在任中に84ヵ国を訪問するなど、歴代で最も多く海外を訪問した大統領らしく、李前大統領は様々な国に対して多くの質問をし、長官や首席秘書官が即答できなければ、たびたびスマートフォンでの検索を指示したという。李前大統領は、会議の途中、自分が知っている内容と違う場合、「ファクトチェック(事実確認)」させ、報告者をどぎまぎさせることもあったという。ディテールに強く、「万機親覧」式の国政運営をする朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の大統領府はどのような姿になるだろうか。

◆スマートフォン3000万台時代の威力は、社会の隅々の風俗図を変えつつある。教授や講師にとってスマートフォンは恐ろしい見張り役だ。特に、歴史的な事件の発生年度や地名、関係者の名前、当時の職責といった基本事項が間違えれば、直ちに確認と訂正が要求される。スマートフォンの現場検索の力だ。講義の前に主要事項を徹底して整理しなければ恥をかくことになる。肯定的な面もなくはない。検索すればすべて出てくる内容で講義をすればすぐにばれ、新しい見解と論理開発に努めなければならない。10年間変わらない教授の講義ノートはもはや昔話になりそうだ。

◆しかし、録音の領域に入ると事情が変わる。教授や講師の息づかいまでつかみ取ることができる高性能の録音機能はストレスの原因だ。ある私立大学教授は、「学生の頭数だけ録音機が作動していると考えればいい。小さな失言も容認されないため、毎日生放送をしている気分だ」と話した。授業中はスマートフォンを押収したい思いだが、その場面が動画で撮影され、一瞬にしてソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に乗ってインターネットで流されると思うとどうすることもできない。

◆19日、朴時煥(パク・シファン)前最高裁判事が司法研修院の講義で、「大手のローファームの女性弁護士は仕事が多くて嫁にも行けず、結婚しても家庭生活がうまくいかず離婚される」という趣旨の発言をした。この発言が出ると、研修院生たちはスマートフォンを開け、カカオトーク・メッセージで、「セクハラだ」、「基本的な礼儀とマナーを知らない」とやりとりし、結局「拍手拒否」という行動指針まで確定した。朴前最高裁判事が気づかない間に、約500人の研修院生の意見が一致したのだ。朴前最高裁判事の発言に対して、講壇の下で司法研修院生たちがスマートフォンで投票をしたようなものだ。朴前最高裁判事の発言が不適切だったというよりも、あまりにもリアルに女性研修院生の心を傷つけたようだ。アナログ時代の講義が一方的な伝達だったなら、スマートフォン時代の講義は聴衆からリアルタイムの評価を受ける。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com