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金正恩氏の独り立ち始動、韓米が対応シナリオ協議へ

金正恩氏の独り立ち始動、韓米が対応シナリオ協議へ

Posted December. 29, 2011 09:00,   

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北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去後に続いた北朝鮮の「弔問政局」が、29日の追悼大会を最後に一段落し、後継者の金正恩(キム・ジョンウン)氏の「独り立ち」が始まる。金正恩指導部体制が安定するか、今後北朝鮮が内外に向けてどのような行動を見せるかによって、韓国を含む周辺国の戦略の調整も避けられない。

●金正恩氏の今後の出方は?

1994年7月に金日成(キム・イルソン)主席が死去した際は、金総書記は哀悼政局が終わった後も3年間「遺訓統治」を行った。当時、軍最高司令官、国防委員長の肩書を持っていても前面には出てこなかった金総書記は、97年10月に労働党総書記に就任した。

しかし、金正恩氏の場合は事情が異なる。金総書記は金主席死去の20年前に公式に後継者になったが、金正恩氏は後継者になって1年2ヵ月で父親の死を迎えた。公式の肩書も労働党中央軍事委副委員長と人民軍大将しかない。

このような弱点を制度的に補完するために、軍最高司令官、党総書記に就任する手続きを直ちに開始する可能性が高い。金主席死去の際は、金総書記に「偉大な領導者」、「党中央委首班」という呼称がそれぞれ半年と一年半使われたが、今回、金正恩氏には死去直後と4日後に使用するなど、超高速で呼称が変わった。

このため早ければ来年1月1日にも、金正恩氏が最高司令官になるとの見通しが出ている。東国(トングク)大学の金榕鍱(キム・ヨンヒョン)教授は、「早ければ金主席の誕生日(4月15日)を前後して党総書記に就任する手続きを踏むだろう」との見方を述べた。

国家情報院も27日、国会情報委員会への報告で「金正恩氏が最高司令官職を早期に継承する可能性が高く、遺訓統治を予告している」と報告した。指導体制については「しばらくは集団指導体制で行くだろうが、(結局は金正恩氏)単独指導体制になるだろう」との見解を示した。その過程で、金正恩氏の後見人である叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)党軽工業部長とその夫の張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長が事実上、摂政をする可能性も指摘されている。

●韓米、シナリオに応じた対応を協議

金正恩体制が安定するかどうかがうかがえる最初の試験台は、22日に予定されていたが金総書記の死去で突然中止になった第3回米朝対話だ。専門家らは、94年の金主席の死去後、米朝核交渉が1ヵ月後に再開されたことを取り上げ、1月中に開催されると見ている。しかし、北朝鮮内の強硬派の声が強まり、北朝鮮が急変する可能性も排除できない。

このため、韓半島をめぐる外交戦が水面下で緊迫して動いていている。林聖男(イム・ソンナム)外交通商部韓半島平和交渉本部長は同日、グリン・デイヴィーズ米国北朝鮮政策担当特別代表と会談するため2日間の日程でワシントンへ出国した。

来週には、カート・キャンベル米国務次官補(東アジア太平洋担当)が韓中日3国を歴訪する。国務省高官が金総書記の死去後、北東アジアの主要国家の歴訪するのは初めて。さらに来月16日頃には、韓米日3国の6者協議首席代表がワシントンで会談する。外交部通商部の当局者は、「様々な影響要因が生じているため、北朝鮮がジェスチャーを取る前に事前にシナリオ別に対応策を協議するのが目的だ」と説明した。

予想されるシナリオは、△北朝鮮が従来の交渉の延長線で再開した場合、△軍部の中心勢力が強硬に旋回し、要求の水位を高めた場合、△内部の権力闘争によって長期間沈黙した場合、△3回目の核実験など挑発に出た場合などがある。来年は、韓国だけでなく米国、ロシアなどの周辺国で大統領選挙が行われ、国内の政治情勢まで加わる。

韓米両国は、これらのシリオに対応した戦略を話し合う計画だ。まず、北朝鮮を圧迫するよりも対話の場に引き出すための戦略を協議している。特に、対話再開に青信号が灯る場合も、時期的に短、中、長期の対策を設けて対応する方針で具体的な協力案を調整している。

政府当局者は、「今後、韓半島情勢をめぐって同盟国が緊密に協力する姿を見せることが切実な時だ。今後、急速に展開する外交戦で韓国がうまく求心力を発揮する必要がある」と語った。



lightee@donga.com