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「船長のメモ」が乗組員たちを救った…機転利かせて危機回避

「船長のメモ」が乗組員たちを救った…機転利かせて危機回避

Posted February. 07, 2011 08:02,   

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先月15日、ソマリア海賊に乗っ取られた「三湖(サムホ)ジュエリー号」が6日後に無事救出されたのは、ソク・ヘギュン船長(58)が乗組員に密かに送った「メモに書かれた指示」が重要な役割を果たしたおかげだった。この時、金ドゥチャン甲板長(61)とチョン・サンヒョン料理長(57)が海賊の視線を撹乱してメモを伝え、ソク、金、チョン3氏の「マドロス・トリオ」の機転が事件解決のカギとなった。

6日、海上警察と乗組員らによると、海賊は、三湖ジュエリー号の近くにヘリコプターが飛んできたり、おかしな動きがあれば、「ソク—金—チョン」トリオを人間の盾にして操舵室の外に立たせた。船長、甲板長、料理長の順に操舵室に待機させ、話ができないように前だけを見るようにした。ソク船長の指示を徹底して遮断するための措置だった。

ソク船長は拉致後、乗組員の皆に「絶対にソマリアに行ってはならない」と伝えた。その後、舵を故障させ、海図を見ても分からない海賊の盲点を利用して、座標を変えたり、修正したりして、船舶の運航を最大限遅らせた。先月18日、「崔蛍(チェ・ヨン)艦」の1次作戦の後は、監禁されたも同然だった。しかし、監視を避け、メモや本に字を書いて、金甲板長とチョン料理長を通じて指示を与えた。「船をたてろ。それが難しければ、船に火をつけろ」という指示が、一航士と一機士に伝えられた。ぼやが起きれば、機関室のそばに置かれた消化設備の二酸化炭素が撒かれ、機関室の作動が止まることを狙って下した指示だった。

また、「エンジンのピストンを引き抜け」、「電子キーや非常操舵室を故障させろ」、「発電機の配電版の回路を故障させろ」という指示も伝えた。海賊に気づかれないように、「本でも見ていろ」と言って、このような内容が書かれた本をさっと投げ渡した。トイレや脱衣室に行くふりをして、乗組員に指示事項を伝えた金甲板長は、1次救出作戦の後、暴行を受け、歯が折られた。

金甲板長は、海賊のモンゴル船舶襲撃(1次作戦)の失敗の責任をすべてかぶった。金甲板長が、海賊が乗ってきた船をクレーンで下ろす際、故意にボートを傾けて水が入るようにし、海軍が攻撃ができるよう時間かせぎをしたことへの報復だった。

金甲板長に対する監視が強化されると、チョン料理長が連絡兵の役割を担った。チョン料理長は、海賊が、ソク船長と金甲板長に食事を与えないようにすると、海賊の料理担当者に頼んで、食事を密かに用意したりもした。また、2次救出作戦の時、海賊の人間の盾として一番先頭に立っていたチョン料理長は、金甲板長に「ソク船長を助けなければならない」と言って必死に海賊に抵抗し、仲間と後輩の乗組員を励ました。



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