Go to contents

米議会ロビー、物を言うのはスキンシップ

米議会ロビー、物を言うのはスキンシップ

Posted December. 09, 2006 07:58,   

한국어

ワシントンのロビー業務に関与するL氏は、今年初め、ビザ免除協定問題の鍵を握る米国議会のある幹部に、「あいさつをしたい。一度会いたい」ともちかけた。しかし、返ってきた返事は、「忙しい」だった。辛うじて事務所訪問の許可を得たが、座るやいなや、「ロビーをする考えはやめろ」と釘をさされた。

惨憺たる心境で帰ったL氏は、しかし、「時間を作ってくださって、本当にありがとうございます」という丁寧な感謝の手紙を送った。すると、期待しなかった好意的な反応が表れ始め、ついに彼と食事をし、電話を交わす間柄になった。同幹部が、ビザ免除協定問題で韓国の側に立ったのは言うまでもない。

●「初歩1年」

韓国政府がロビーに関心を持ち始めたのは、昨年春からだ。駐米韓国大使館幹部たちは、主要法案がわずかの差で可決される過程を見守りながら、「ほら見ろ」と感嘆した。共和党指導部がロビイストを使って、所属議員たちを動員したのだ。

2005年の夏からロビイストの物色に乗り出した。検討の結果、韓国系米国人のトーマス・キム氏が共同運営者である「スクライブ戦略&諮問」というロビー会社が最もいい点数を得た。キム氏は、ジョージタウン大学、ジョンスホプキンズ大学国際大学院を卒業し、貿易代表部(USTR)などで勤務した経歴のあるインターネットコンサルタント出身。2005年10〜12月の活動費を含め、1ヵ月に1万ドルのロビー契約を結んだ。さらに、今年初めにビザ免除プログラムと韓米関係の2つの課題のためのロビーに、月3万ドルを支給する内容の正式契約を結んだ。これとは別に、最近、韓米自由貿易協定(FTA)交渉が本格化し、経済分野でもロビー活動が本格化した。契約は、全国経済人連合会(全経連)および韓国貿易協会が結び、大使館がこれを活用する方式だ。全経連は、元議員が創立した会社を雇用した。

1年間、韓国政府が行なったロビーの最も可視的な結果は、韓国のビザ免除プログラム加入への支持世論を高めたことだ。下院の場合、政府に支持書簡を送った議員が35人に達する。米政府のある関係者は7日、「先週、ブッシュ大統領がビザ免除協定を柔軟に運用する方向に改編すると明らかにしたのも、議会の肯定的な声が政府に伝わったおかげだ」と話した。

●「人が暮らす世の中はすべて同じ」

ロビイストやロビー業務に関与する外交官たちは、この1年間、主要議員や補佐官、報道関係者たちを執拗に訪ねた。あいさつを交わした後、食事に招待するのが手順だ。反応は千差万別だった。

ある議会幹部は、事務所では堅かったが、レストランに招待すると態度が変わった。

ゴルフ場に招待する場合もある。グリーンフィーが1人当たり50〜100ドルの中上クラスのパブリックコースを主に利用すると、あるロビイストは伝えた。むろん、規定上、プレゼントや接待限度は50ドル以内だが、週末にワシントン近郊で50ドル未満のゴルフ場を探すのは容易ではない。

政治家を動かす最も大きな力は、やはり票と後援金だ。特に、韓国系有権者が多い地域の議員には、「韓国系の票心」を強調すれば、十中八九「何をすればいい」という反応が出た。「国務長官に、韓国をビザ免除対象国に含めるべきだという内容の手紙を書いてくれればいい」というお願いをする。すると、1週間後に手紙を送る議員もいた。

政治後援金を露骨に要求する場合は珍しいが、知らないふりをすると寂しがる議員もいる。南部出身のある議員は、私的な席で、「韓国経済人たちが『重要なメッセージがあるから、時間をつくってほしい』と言って会ってみると、『よろしく頼む』と自分の話だけをして帰る」と不満を吐露した。

ある関係者は、「食事の最後に『来月にファンドレイジング(基金募金)行事があって、忙しい』という具合に慎重に話を切り出す議員や補佐官が多い。多くの場合、参加して誠意を示す」と話した。

●「行く道は遠く、山は高い」

米下院で、日本軍慰安婦決議案問題が論議されると、日本政府は、ヘンリー・ハイド国際関係委員長と同郷(イリノイ州)で、1994年に民主党下院院内代表を務めたボブ・マイケル氏にロビーを任せた。大物クラスなので、その問題解決だけに月6万ドルを与える条件だったという。韓国政府の全体ロビー額の月3万ドルとは比較にならない規模だ。ある資料によると、企業ロビーを合わせて、2004年基準で日本は年間1341万ドル、台湾は625万ドルを使用したと調査された。

大統領府や与党から、ともすると出る「問題発言」なども、ロビーの効果を半減させる要因として指摘される。現場で苦労して積み上げた「親韓感情」が、浜辺の砂の城にように波に流されるということだ。



sechepa@donga.com srkim@donga.com