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俳優キャスティングまで変える「オタクパワー」

俳優キャスティングまで変える「オタクパワー」

Posted October. 01, 2016 09:19,   

Updated October. 01, 2016 09:21

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自宅に引きこもりがちで、世間に出てきたオタクたちがソーシャルネットワークサービス(SNS)で、「オタクの力」を発揮しながら同じ趣味を持つ人たちと情報を共有している。時には、オタク同士が意を共にして、結集した力を見せたりもする。「学位のない専門家」とも呼ばれているオタクたちが、「学位所持専門家」のように、自分の専門分野についての著述活動に力を入れたりもする。

公演業界でミュージカルオタクを名乗る「ミュータク(ミュージックオタク)」の活動は、公演関係者らが気を使わなければならないほど、影響力が高まっている。彼らが活動するネット上のコミュニティ「DCインサイド演劇ミュージカルギャラリー」は、公演制作会社の主要モニタリング媒体として位置づけられている。新しい公演が公開されるたびに、ミュータクらは、コミュニティに公演関連情報や意見などを掲載しながら共有している。

彼らの力は、制作会社のキャスティングまで牛耳っている。今夏のミュージカル「モーツァルト!」に、歌手のイ・スがキャスティングされたというニュースが伝わると、ミュータクたちが立ち上がった。かつて、未成年者買春容疑で起訴猶予判決を受けたことがあったためだ。彼らは降板を呼びかける署名運動やキャスティング反対広告のための募金運動を主導した。とあるミューダックは、募金運動に巨額を出した証明写真を掲載するなどした。結局、制作会社はミュータクの要求通り、役者のキャスティングを取り消した。

最近、若者たちの間で流行っている脱出カフェは、閉じ込められた部屋から、限られた時間内に複数のクイズを解いて部屋から脱出する、いわば推理ゲーム。この脱出カフェのクイズを作ったり、監修するのに、推理オタクの会「RS推理同友会」が大きな役割を果たしている。彼らが定期的に集まって共有した情報データは、クイズを作り、テーマを構成するのによく使われている。

オタクたちが専門知識を基に本を書くことが徐々に増えている。国内で生産されたバスに関する数々の資料や知識を基に、放送などで「バスオタク」に認められたイ・ジョンウォン氏(20)は、100年近い韓国バスの歴史や情報を盛り込んだ本「バス大百科事典」(仮題)を来年発刊する予定だ。推理コンテンツコンサルティングを手掛けている「RS PROJECT」のノ・ヨンウク代表(27)も、日本書籍一色の推理知識本の市場を狙って、韓国型推理知識書を記している。イ氏は、「収益のため、というよりは、情報が必要な人たちのために足跡を残したい、ということから(本を)企画した」と話した。



김배중기자 キム・ベジュン記者 wanted@donga.com