バイデン政府「北朝鮮を断固抑止」、北「米は必ず後悔」と反発

バイデン米政府が４月３０日（現地時間）、韓半島の完全な非核化という目標を維持しながらも制裁と外交を並行して実用的アプローチを模索するという内容の対北朝鮮政策の枠組みを提示した。これに対して北朝鮮は２日、金与正（キム・ヨジョン）朝鮮労働党副部長、外務省報道官、外務省米国担当局長の名義でそれぞれ談話を出し、韓米を圧迫した。韓半島の対話の時計もすぐに作動することは容易でないという観測が流れている。

サキ米大統領報道官は４月３０日（現地時間）、大統領専用機で記者団に、対北朝鮮政策見直しの進行状況を問われ、見直しが完了したと明らかにし、「われわれの政策は『グランドバーゲン（一括妥結）』を重視したり、『戦略的忍耐』に頼ったりすることはない」と述べた。北朝鮮問題に距離を置いたオバマ政権の方法も、「トップダウン」方式で核問題を解決しようとしたトランプ政権の方法も選ばないということだ。米紙ワシントン・ポストも、バイデン政権の対北朝鮮政策は完全な非核化を前提とした段階的アプローチを推進すると報じた。米当局者は同紙に、「究極的な非核化目標の下、（北朝鮮の）特定の措置に対して（制裁）緩和を提案する準備ができている」と話した。段階的非核化とそれに相応して措置を取ることを考慮できるという意味だ。

しかし北朝鮮は、「深刻な状況に直面することになる」と警告した。バイデン大統領が４月２８日（現地時間）の施政方針演説で、「外交」と「断固たる制裁」を対北朝鮮政策の原則としたことと、米国が継続して北朝鮮人権問題を提起していることへの反発だ。北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長は２日、「米国が主張する『外交』とは、自分たちの敵対行為を覆い隠すための見かけの良い看板にすぎず、『抑止』はわれわれを核で威嚇するための手段であるだけ」と述べた。与正氏も、国内の脱北者団体の対北朝鮮ビラ散布について、「われわれがいかなる決心と行動をしようとも、その結果に対する責任は、汚いゴミを統制しなかった南朝鮮当局が負うことになるだろう」と反発した。これに対して外交関係者らは、米国の対北朝鮮政策の実施と２１日に開かれる韓米首脳会談を控え、北朝鮮が存在感をアピールしたと見ている。

北朝鮮の反応に対して、大統領府は公式の立場を明らかにしなかった。外交部は、「韓国政府は韓米両国の努力に対する北朝鮮の前向きな呼応を期待する」とだけ述べた。


クォン・オヒョク記者　ワシントン＝イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com