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メジャー16年目の秋信守が語るメジャーリーグ、そして現役続投への思い

メジャー16年目の秋信守が語るメジャーリーグ、そして現役続投への思い

Posted December. 29, 2020 08:12,   

Updated December. 29, 2020 08:12

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テキサス・レンジャーズの秋信守(チュ・シンス=38)はの半袖姿だった。額から流れ落ちる汗を拭き続けた。「今トレーニングを終えて帰ったばかりだ」と話した。

テキサスでの7年を含めてメジャーリーグで16年を経験してきた秋信守は、真冬のオフシーズンにもいつも通り、自分だけのルーティンを守りながらトレーニングをしていた。秋信守は、「久々に家族と一緒に過ごしているので良い気持ちだ」と言い、「ところで、家事ってやってもやっても切りがない。野球場の方が楽だ」と笑顔で語った。来季に新天地のユニフォームを着る日を待ちながら、テキサスの自宅で体作りをしている秋信守を先日、ビデオ会議プラットフォーム「Zoom」を使ってインタビューした。

●ロールモデル、エイドリアン・ベルテルを語る

2000年に夢を求めて太平洋を渡った秋信守は、米国で多くのことを成し遂げた。7年総額1億3000万ドル(約1426億ウォン)の大型契約を結んだし、オールスターゲームにも出場した。52試合連続出塁記録を打ち立てた。

富と名誉をともに手にしていながら、引き続き現役選手として活躍したいとしている理由は何だろうか。「まだ野球をあいしているし、競争に勝てる自信があるからだ」。消えていない情熱は今季最終戦だった9月28日のヒューストン・アストロズ戦で確認することができた。右手負傷でまともにバットを振れない状態だったが、三塁へバントを転がして一塁へ向かって全力疾走した。ベースを踏んだ後、重心を失って転ぶ闘魂を見せて、安打一つを追加した。秋信守は、「若い選手たちに野球場でどういう姿を見せるべきかを示したかった」と話した。試合後に多くの選手たちが寄ってきて「これからは、骨が折れていなければ、グラウンドで走らなければならないということを学んだ」と言ってくれたことを紹介した。

野球人生の終盤に向かっている秋信守のロールモデルはテキサスのチームメイトだったエイドリアン・ベルトレ(41=引退)だ。メジャーリーグ通算3166安打、477本塁打を記録したベルと絵について、秋信守は「自分はベルトレのような優れた選手ではない。ただ、彼みたいにユニフォームを脱ぐ瞬間までは、毎試合ですべてを出し切る選手として記憶されたい」と語った。

●柳賢振と崔志万

メジャーリーグで1652試合に出場した秋信守が一度も経験したことがないのが一つある。他でもない「夢の舞台」ワールドシリーズ(WS)だ。2015年にチームがアメリカンリーグ西地区優勝を果たし、地区シリーズ(DS)に進出したことはあるが、当時トロント・ブルージェイズに敗れて敗退した。秋信守は、「今年タンパベイ(レイズ)で活躍した(崔)志万がWS舞台でプレーするのをテレビ中継で見た。昨年は(柳)賢振が(ロサンゼルス)ドジャース所属でWSで活躍した。自分も(WSが開催される)10月に家ではなくて必ず野球場にいたい」と語った。

現在、複数の球団と交渉を進めているのだが、最も重視している基準も「勝てるチーム」だ。秋信守は「より高い金額をもらうのは重要でない。出場機会が得られるチームで、秋の野球を目指せるチームで最後の炎を燃やしたい」と語った。

●ロベルト・クレメンテを語る

今年、秋信守は球場の外でもっと輝いた。新型コロナウィルスが野球場を襲った今年4月、秋信守はテキサス配下のマイナー選手191人全員に1000ドル(約110万ウォン)ずつの生計費を支援した。各種寄付や善行で、メジャーリーグの善行賞と言えるロベルト・クレメンテ賞候補30人に選ばれた。アダム・ウェインライト(セントルイス・カージナルス)に押されて受賞こそならなかったが、韓国人選手では初めて受賞者候補に選ばれただけでも栄誉あることだった。秋信守は、「自分もマイナーリーグで7年間を苦労しながら野球をしたので、選手たちの苦しい状況がよくわかる。悩むことなく寄付を決定したし、妻(ハ・ウォンミさん)も快く同意してくれた」と言い、「受賞への欲はないけど、ロベルト・クレメンテ賞だけは是非もらいたかった。しかし、自分より良いことを沢山したウィンライトが受賞したので、惜しみなく拍手を送った」と話した。

「来年は普通の日常に戻れることを期待している。読者の皆さんも来年は良いことだけが起きることを望む」と新年のメッセージを託した秋信守は、クレメンテの顔写真がプリントされたシャツを着ていた。シャツにはクレメンテの生前の名言で、秋信守が自分に言い聞かせたい言葉が書かれていた。

「ユニフォームを着ている時の自分が世の中で最も誇らしい人のように思える(When I put on my uniform, I feel I am the proudest man on earth)」


李憲宰 uni@donga.com · 姜泓求 windup@donga.com