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北朝鮮の衛星発射体「仮分数」、複数の偵察衛星を同時打ち上げ

北朝鮮の衛星発射体「仮分数」、複数の偵察衛星を同時打ち上げ

Posted June. 02, 2023 08:47,   

Updated June. 02, 2023 08:47

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北朝鮮が先月31日に打ち上げに失敗した衛星発射体「千里馬(チョンリマ)1」は、2016年2月に打ち上げた「光明星(クァンミョンソン)号」に比べて衛星搭載部が著しく大きくなったことが確認された。韓米を集中監視する軍事偵察衛星を複数機一度に打ち上げようとしたという分析もある。3段で構成された発射体の全長も光明星号よりやや長くなった。大陸間弾道ミサイル(ICBM)用エンジンである「白頭山(ペクトゥサン)エンジン」2~4基を搭載したとされる。軍当局は前日、1段目の分離直後に墜落した残骸のうち、2段目の推進体が含まれている胴体を見つけ、引き揚げ作業を行っている。

北朝鮮が1日に朝鮮中央通信を通じて公開した打ち上げ写真に写った「千里馬1」は、光明星号と外観が明らかに異なっていた。光明星号は1段から3段に行くほど直径が明らかに狭くなり、発射体最上部の衛星搭載部が最も小さい構造だった。一方、今回は3段まで目立った直径の変化がなく、衛星搭載部だけが大きくなった形だ。金承祚(キム・スンジョ)韓国航空宇宙研究院(KARI)院長は、「実戦用であるため衛星のサイズが大きくなったとみられる」とし、「複数の衛星を同時に搭載するためにサイズを大きくした可能性もある」と話した。

軍当局と専門家の分析を総合すると、千里馬1の全長は30メートルを超えると推定される。光明星号は29メートル前後だった。発射体により重い衛星を搭載するために、長さなど全体の大きさを大きくしたものとみられる。エンジンは、準中距離ノドンミサイルのエンジン4基を使用した光明星号とは異なり、液体燃料の「白頭山エンジン」を搭載し、推力を高めたとされる。白頭山エンジンは、複数回の発射実験で性能が実証された「火星(ファソン)17」など北朝鮮のICBM用エンジン。

発射体が墜落した全羅北道群山市(チョンラプクト・グンサンシ)の於青島(オチョンド)の西側約200キロの海上では、2段目を含む15メートルの長さの胴体が発見され、軍当局が2日目の引き揚げ作業を行っている。引き揚げ作業には、統営艦や光陽艦などの艦艇や海軍の海難救助隊(SSU)が投入された。

発射体の全体の長さの半分以上あるとみられるこの巨大な胴体は、前日海面上に浮上した後、1日現在75メートル下の海底に沈んでいる。この海域に1段目の胴体を含む3段及び衛星搭載部、衛星がすべて落下したと推定される。これらをすべて見つけて引き揚げることに成功する場合、事実上のICBMである北朝鮮の衛星発射体の技術力や性能を確認する上で決定的な証拠になると軍は見ている。


孫孝珠 hjson@donga.com