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手紙を読む女

Posted October. 06, 2022 08:40,   

Updated October. 06, 2022 08:40

한국어

「秋には手紙を書きます」。歌手チェ・ヤンスクが歌って大ヒットした「秋の手紙」の最初のフレーズだ。1971年に発表されたが、その後、数多くの歌手がリメイクし、世代を超えて愛されてきた。この有名な韓国歌謡は、不思議なことに17世紀のオランダ画家ヨハネス・フェルメールの絵を思い出させる。

フェルメールは、確かに手紙が好きだったようだ。残した作品が35点しかないが、手紙をテーマにした絵を数点描いた。この絵にも、手紙を読む金髪の少女が登場する。愛する恋人が送ったのだろうか。優雅に装った少女は、一文字でも逃すまいと視線は手紙に固定され、頬は赤くなっている。開いた窓から差し込む日差しが、彼女の赤い頬をさらに際立たせる。テーブルの上を覆う高級カーペットはしわくちゃになり、斜めに立てられた皿からは果物があふれ出ている。

窓は通常、外の世界に向かう通路を象徴する。開かれた窓は社会的制約や家庭を抜け出そうとする女性の渇望を意味するだろう。果物は肉体的な愛を意味するが、あふれた果物は浮気と解釈できる。手紙を送った人は、不適切な関係の男かもしれない。

この絵は、1742年からドイツのドレスデン絵画美術館に所蔵されていたが、もはや存在しない。イメージが変わったからだ。また、原本でもなかった。画家の死後、上塗りで絵が変形した事実が明らかになり、2018年から大々的な復元作業に入った。2021年に復元を終えて公開された絵は、どんな姿だったのだろうか。なんということだろう!裸のキューピッドを描いた巨大な絵画が壁を埋め尽くしていた。

観客の反応はどうだったのだろうか。愛の神キューピッドが壁の空間を掌握したうえ、複雑になった構成に失望する人がより多かった。以前の絵に戻せという人もいた。寂しい女性が美しいという「秋の手紙」の歌詞のように、絵の中の少女はもう寂しくもなく、静粛にも見えなかったので、さらにがっかりさせられたのかもしれない。