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北朝鮮挑発に対抗した玄武ミサイルの2度目の失敗、キルチェーンは大丈夫か

北朝鮮挑発に対抗した玄武ミサイルの2度目の失敗、キルチェーンは大丈夫か

Posted October. 06, 2022 08:41,   

Updated October. 06, 2022 08:41

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韓国軍が4日夜に江陵(カンルン)の某基地で発射された弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)2C」が異常飛行して基地内に落ちる事故が発生した。事故は、韓米が北朝鮮の中距離弾道ミサイルの挑発に対抗する措置で、玄武2C1発と戦術地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」4発を発射する合同地対地射撃で起こった。この事故で、ミサイル推進剤が燃焼して火災が発生し、弾頭は爆発しなかった。強い騒音と閃光に驚いた近くの住民は、一晩中不安に震えた。軍当局は5日午前に事故の事実を公表し、「住民を驚かせて非常に遺憾」と謝罪した。

今回の落弾事故は、玄武2が最大射程距離1千キロに達する韓国軍の代表的な地対地弾道ミサイルで、北朝鮮の核に対応するキルチェーンの核兵器であるという点で痛烈な失敗と言わざるを得ない。2017年9月、北朝鮮の中距離ミサイル挑発直後に実施した対応射撃の時も、玄武2A2発のうち1発が発射数秒で東海(トンへ・日本海)上に墜落したことがある。韓国軍の対北朝鮮抑止力に穴が開いているのではないか懸念される。射撃過程でミスがあったのか、兵器管理や整備に問題がなかったのか、徹底した調査とともに総体的な再点検が必要だ。

事故後、軍の遅い対応はさらに呆れたものだった。真夜中に発生した炎と煙、轟音に驚いた住民の通報と問い合わせが消防署と警察署に殺到した。しかし、軍は住民に「訓練」の案内すらしなかった。該当地域選出の与党議員さえ「災害メールもなかった」と無責任な軍当局を叱責したほどだ。軍当局は、玄武2Cの発射失敗にもかかわらず、エイタクムスの射撃と空軍の精密爆撃の成功を強調し、「挑発の原点を無力化できる能力と態勢を備えたことを示した」と主張した。しかし、北朝鮮に対抗する射撃の失敗とお粗末な住民への対応は、北朝鮮を恐れさせるどころか国民の不安だけを生んだという批判を避け難い。

軍の対応が万事に完璧であることはできない。北朝鮮は先制挑発者として利点があり、それに対応する立場では不利を克服しなければならない。しかし、挑発に対抗する武力示威のレベルで準備してきた対応措置で穴が空いていたなら、心理戦で負けてしまう。北朝鮮の挑発が一層大胆になり、合同軍事演習を終えて帰っていった米軍原子力空母が韓半島に回航するほど厳しい時だ。同じ失敗を繰り返さないよう対北朝鮮態勢を引き締める契機にしなければならない。