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建築家が捉えた「ソウルの時間」

Posted December. 04, 2021 08:57,   

Updated December. 04, 2021 08:57

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「ソウル駅の東門を出た時に目を引くのは、旧ソウル駅舎でもソウル路7017でもない。まさにソウルスクエア、旧大宇(デウ)センタービルだ」

少し気になる一節だ。同書の著者によると、この飾り気のない巨大な直六面体の建物が堂々と建っているが、どこの誰も自分の作品だと言う人がいない。「これほどのミステリーはない。父親を父親と言えず、自分の設計を自分の設計と明らかにできない、納得できない理由がある建築物」という説明が続く。

 

十数年間、建築師として活躍している著者は、産業施設の建築設計を主に扱った。同書は、著者がソウルのあちこちを歩いて書き、描いたドローイングエッセイ。著者が注目したのは、ソウルという巨大都市が築いてきた時間と空間だ。本を読んでいると、著者と一緒に歩いて建物や通りについての解説を聞くような感じがするほど描写が詳細だ。1997年代、浪人するために上京してソウル生活を始めた著者は、ソウル駅舎に対する関心が都市紀行につながったと話す。同書は、ソウル駅を基点にソウル駅の東側の都心と南山(ナムサン)(1部)、ソウル駅西側の丘陵地と鉄道(2部)に大きく分かれる。細部的には、西小門・貞洞(チョンドン)・西学堂通りをはじめ、7つの都市散策コースを案内する。各コースの後の代表建築物にまつわる話や問題点を指摘するコーナーが興味深い。


金甲植 dunanworld@donga.com