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「リア王」を国内最高齢で演じる李順載氏、「生涯最後の大作」

「リア王」を国内最高齢で演じる李順載氏、「生涯最後の大作」

Posted September. 29, 2021 08:10,   

Updated September. 29, 2021 08:10

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演技人生65年を迎えた大俳優が仲間からよく受ける質問があった。「やってみたい作品はなんですか」

李順載(イ・スンジェ)氏(86)はその度に演劇「リア王」を挙げた。そして、ついに国内最高齢のリア王に登板した。28日、ソウル瑞草区(ソチョク)の芸術の殿堂インチュンアートホールで行われた演劇「リア王」の記者懇談会に、主演俳優で芸術監督として参加した李氏は、「『老人が主人公の演劇は、やはりリア王ではないか』と度々話していたことが公論化され、舞台に立つことになった。演技人生でやったことのない作品だ」とし、「向こう見ずではないかと心配にもなるが、生涯最後の大作という覚悟で臨む」と明らかにした。また、「シェイクスピアの作品を演技する機会は多くなかった。このような機会が私にいつまた来るかわからないので、寝ていても台詞が出てくるほど台本を読み込んでいる」と言って笑った。

懇談会には、作品を演出する李賢祐(イ・ヒョンウ)氏(順天郷大学英米学科教授)も参加した。李賢祐氏は、様々なシェイクスピアの作品の演出、翻訳を担い、国内では「シェイクスピアの大家」とされる。李賢祐氏は、「欧州に黒死病が蔓延した時、シェイクスピアは家に隔離された状態でリア王を執筆した。原典にも、少数者、貧しい者に黒死病がさらに大きな被害を及ぼす時代的状況が出てくる。現代の観客にも作品が伝えるメッセージがあるだろう」と説明した。

リア王は、シェイクスピアの4大悲劇の中でも最も圧巻という評価を受ける作品。李氏は、全てを所有した絶対権力者だったが、一瞬にして全てを失って奈落に落ち、気が狂った老人となるリア王を演じる。李氏は、全てを取りはらった正攻法を選んだ。3時間20分を超える原典の分量をそのまま生かし、23回の全公演でリア王役を単独で行う。李氏は、「これまでは条件上、原典の一部を省略したリア王の舞台が多かった。今回は原典をそのまま、衣装、扮装まで再現するということに意味がある」と話した。

劇団・冠岳(クァンアク)劇会と芸術の殿堂が共同で企画した今回の舞台は、チェ・ジョンユル、パク・ヨンス、キム・インス、イム・デイル氏ら中堅俳優をはじめ、蘇有珍(ソ・ユジン)、イ・ヨンヒ、呉静姸(オ・ジョンヨン)氏らも出演する。李氏は、「シェイクスピアの劇の核心は言葉だ。複合的な用語、修飾語句が多くて難しいが、若い俳優と原典の台詞を正確に伝えることに集中している」とし、「躍動的に楽しく準備し、しっかり完走する」と話した。

10月30日から11月21日までソウル芸術の殿堂CJトウォル劇場。4万~9万ウォン。8歳観覧可、02-580-1300。


キム・ギユン記者 pep@donga.com