Go to contents

トランプ氏、元側近の刑免除

Posted July. 13, 2020 08:04,   

Updated July. 13, 2020 08:04

한국어

トランプ米大統領が、実刑が確定していた自身の最側近の刑を服役前に突然、免除した。野党とメディアで「法治主義の基本が崩れた」と激しく批判しており、4ヵ月を切った大統領選の争点として浮上している。

ホワイトハウスは10日(現地時間)、トランプ氏が選挙陣営の参謀だったロジャー・ストーン被告の刑を免除する大統領令に署名したと明らかにした。「刑執行日を先送りしてほしい」という被告の要請を裁判所が却下した直後に出た決定だ。ホワイトハウスは、ケイリー・マケナニー報道官名義の声明で、「ストーン被告は左派とメディア連合がトランプ政権を弱体化させるために作り出した『ロシア詐欺』の被害者」とし、「意欲だけ溢れる検事たちが、存在しない事件を捜査し、(捜査当局は)承認されていけない作戦で彼を逮捕し、陪審員団にも深刻な問題があった」と主張した。

ストーン被告は、ワシントン政界でトランプ氏を大統領にした「キングメーカー」であり、このために陰謀説でライバルを攻撃することも厭わない「政治工作の達人」と評価されてきた人物。 同被告の政治工作を集中的に扱ったドキュメンタリー番組が作られたほどだ。同被告が誇らしく明らかにしてきた「無名より悪名がまし」という言葉は、今でも政界で広く知られる。オバマ前大統領の出生地疑惑、民主党の大統領選候補だったヒラリー・クリントン氏に関する中傷宣伝の背後にストーン被告がいたという。

ストーン被告は2016年の大統領選当時、ロシアの米大統領選介入疑惑と関連して議会に虚偽の証言をし、周囲の人にも虚偽の証言をするよう圧力をかけた疑いなどで起訴された。25万ドルの保釈金を出して保釈された状態で裁判を受け、今年2月に偽証、公務執行など7つの容疑で懲役40ヵ月を言い渡され、14日から収監される予定だった。

 

検察は当初、懲役7~9年を求刑したがトランプ氏がツイッターで強い不満を提起した後、司法省が求刑量を3~4年に下げた。当時、事件を担当した検事4人が一度に事件から手を引き、約1100人の前・元検事や司法省の官僚らがウィリアム・バー法務長官の辞任を求めるなど外圧論議が起こった。

しかし、トランプ氏は11日、ホワイトハウスで記者団に対して、ストーン被告に対する質問を受け、「彼はとても不当な扱いを受けた」、「魔女狩りにあった」という言葉を繰り返した。また、「人々は正義を望むので、私がした決定に非常に喜んでいる」と主張し、「私がしたことに非常にうれしい」と自画自賛した。

大統領選を目前にした時に、大統領の側近の刑免除の決定にワシントン政界は蜂の巣を突いたムードだ。共和党所属のミット・ロムニー上院議員は同日、ツイッターに、「前代未聞の歴史的な腐敗」とし、「米大統領が自身を防衛するために、嘘をついて陪審員の有罪評決を受けた人の刑を免除する」と非難した。

バイデン民主党大統領候補は、「トランプ氏は規範と価値を焦土化し、視線が集中するのを避けるために金曜日の夜に刑免除を発表し、またも権限を乱用した」と非難した。アダム・シフ下院情報委員長はMSNBCとのインタビューで、トランプ氏を忠誠派を助け、さもなければ報復する「マフィアのボス」にたとえた。米紙ニューヨーク・タイムズは、「トランプ氏は、ウォーターゲートのどん底に陥っていたニクソン元大統領ですら渡ることができなかった限度を越えた」と指摘した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com