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オブライエン米大統領補佐官、「北朝鮮を注視、核放棄せよ」と3度繰り返す

オブライエン米大統領補佐官、「北朝鮮を注視、核放棄せよ」と3度繰り返す

Posted May. 26, 2020 08:36,   

Updated May. 26, 2020 08:36

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北朝鮮が「核戦争抑止力の強化」に言及した直後、オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、「北朝鮮を注視している」と繰り返し警告し、しばらく静かだった米朝対立が再燃する様相だ。

オブライエン氏は24日(現地時間)、CBS放送とのインタビューで、北朝鮮について「核計画を放棄しなければならない」とし、「注視している」という趣旨の警告を3度繰り返した。公開された情報だけでなく情報機関から出る北朝鮮の動きを全て見ているとも強調した。以前のメディアインタビューで、「米国は北朝鮮の対話を継続する」という趣旨の原則論を強調したことに比べると緊張感が漂う発言だ。

一部ではオブライエン氏が、「北朝鮮の動きを見て、適切な対応を決める」と明らかにしたことをめぐって、最悪の場合、米国が武力対応まで検討する可能性があるという意味とみられる。チャールズ・リチャード戦略司令官が20日、「2020年司令官構想と意図」を公開し、「戦略的抑止が失敗した時、『決定的な対応』をする」と二度にわたって言及したことと同じ脈絡と分析されている。

ただし、拡大解釈する必要はないと専門家たちは指摘した。峨山(アサン)政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は、「北朝鮮が戦略兵器能力の拡充、核戦争抑止力の強化といった表現を使うので、米国もじっとしていられなかったのだろう」としながらも、「しかし、正確に『何かをする』、『最終オプション(全面戦争)まで行く』とはみられない」と分析した。韓国外国語大の尹徳敏(ユン・ドクミン)客員教授も、「軍事的手段も完全に排除できないが、北朝鮮の反応に合わせて行動するという意思の表現とみるべきだ」と説明した。

同時に、米国は北朝鮮との対話の可能性も開いた。オブライエン氏は、「この3年半の間、北朝鮮との衝突を避けてきた」とし、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対するトランプ米大統領の「卓越した外交」を強調した。北朝鮮の世界再編入と経済的利益を取り上げ、核を放棄した場合に北朝鮮が得ることになる見返りも再度提示した。特に、新型コロナウイルスの感染拡大で中朝貿易が減って経済への打撃が予想されており、北朝鮮に「アメ」を投げたのだ。

年末に大統領選を控えているトランプ政権としては、このようにして状況を管理し、北朝鮮の挑発を阻止すること以外に妙案もない。新型コロナウイルス対策の失敗の責任を追及されているトランプ氏が逆風を招きかねない北朝鮮との取り引きをする可能性は高くない。トランプ政権関係者は、「北朝鮮の出方によって私たちの対応も変わる」とし、「しかし、北朝鮮がまだ実際に行動に移していないので、ひとまず動きを注視している状況だ」と話した。

北朝鮮が、米大統領選前にトランプ政権から譲歩を引き出すために挑発カードをちらつかせるという見方もある。国際原子力機関(IAEA)のハイノネン元事務次長は同日、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)とのインタビューで、「北朝鮮は核戦争抑止力を強化するという計画を成功させるために、わざと敵の目につくようにして分析を誘導する行動に出るだろう」と診断した。尹氏も、「北朝鮮がオールド・プレイブック(old playbook・長年の戦略)で挑発して局面を揺さぶることで、米国と核問題を議論しようとする可能性がある」と見通した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 シン・ナリ記者 lightee@donga.com · journari@donga.com