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ヘイリー元国連大使、「トランプ氏、ワームビアさんを殺した金正恩氏にラブレター」

ヘイリー元国連大使、「トランプ氏、ワームビアさんを殺した金正恩氏にラブレター」

Posted January. 22, 2024 08:19,   

Updated January. 22, 2024 08:19

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「トランプ前米大統領がワームビアさんの両親に何をしたか知っていますか。北朝鮮でのワームビアさんへの拷問を金正恩(キム・ジョンウン)総書記は知らなかった」と言いました。金正恩氏が『ラブレター』でそう言ったそうです」

20日(現地時間)、米ニューハンプシャー州ネシュアで開かれたヘイリー元国連大使の遊説会場。ヘイリー氏が北朝鮮に17ヵ月間拘束され、2017年に米国に送還されて6ヵ月後に死亡した米国人大学生ワームビアさんのことを取り上げ、このように発言すると、聴衆は「なんてことを...」と嘆息をもらした。ヘイリー氏は、トランプ氏を念頭に、「世界が戦禍に包まれている時、独裁者、ならず者と親しくなってはならない」と声を上げた。

ヘイリー氏は同日、3回の遊説で、トランプ氏の対北朝鮮政策を批判した。23日に開かれるニューハンプシャー州の予備選挙は、トランプ氏が共和党の大統領候補として事実上確定されるかどうか判明する関門だ。このような状況で、ヘイリー氏がトランプ氏と正恩氏のいわゆる「ブロマンス」を攻撃のためのカードとして出したのだ。

●トランプ氏と金正恩氏の「ブロマンス」に照準

ヘイリー氏は、30分間の演説のうち10分程を外交政策に割き、トランプ氏を批判した。ヘイリー氏は、「欧州と中東が戦争中であり、北朝鮮が米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実験し、中国は(戦争に向けて)行進している」と述べた。そして、「米国が分裂し、全世界が戦禍に包まれた時、米大統領のポストはもはやゲームになることはできない」と強調した。

また、トランプ氏が正恩氏との親書を誇示したことを指摘し、「米大統領が息子を拷問した人に『ラブレターを書いた』ことを聞いたワームビアさんの両親の心がどれほど辛かったか分かるだろうか」と批判した。同日午後、ピーターバラの遊説では、「トランプ氏は中国が新型コロナウイルス感染症を広めた後も、中国の習近平国家主席を十数回称賛した」とし、記者団に「トランプ氏は独裁者との関係に執着している」と述べた。

ヘイリー氏の攻勢に、トランプ氏は同日午後、マンチェスターでの遊説で、正恩氏と習氏、ロシアのプーチン大統領について言及しなかった。北朝鮮についても、「3年前までイランと中国、ロシア、北朝鮮は抑制されていた」とだけ述べた。トランプ氏は前日の遊説では、「(私が大統領だったら)正恩氏は米国を脅かさないだろう」と発言するなど、遊説のたびに正恩氏との親交に触れた。

●共和党予備選の争点に浮上した北朝鮮と正恩氏

トランプ氏と正恩氏のブロマンスは、ニューハンプシャー州の予備選を含む共和党予備選の争点として浮上する見通しだ。ヘイリー陣営は、今回の予備選の前日の22日から、ワームビアさんの母親のシンディさんの支持演説を含む3分間のテレビ広告を放送すると明らかにした。

トランプ氏が圧勝したアイオワ州に比べて中道層が多いニューハンプシャー州で、国連大使を務めた強みを生かし、反トランプ票を結集させる戦略とみられる。同日公開されたサフォーク大学の世論調査で、トランプ氏は53%の支持率を獲得し、ヘイリー氏(36%)を17ポイント差でリードした。18日の調査より差が2ポイント広がった。

一部では、ニューハンプシャー州の予備選が「米国第一主義」を掲げたトランプ氏の孤立主義路線と米国のグローバルリーダーシップを重視する介入主義路線の衝突の様相に流れているという分析もある。米紙ニューヨーク・タイムズは、「ヘイリー氏は、米国が全世界の外交のリーダーになることを支持した過去の共和党政策で有権者にアピールしている」とし、「ニューハンプシャー州の予備選は、トランプ氏の孤立主義から共和党が脱出口を見出すことができるかどうか決定することになるだろう」と分析した。


ネシュア・マンチェスター=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com