Go to contents

「資金大乱」で企業投資にも寒波、「経済の安全弁」が見えない

「資金大乱」で企業投資にも寒波、「経済の安全弁」が見えない

Posted October. 27, 2022 08:24,   

Updated October. 27, 2022 08:24

한국어

グローバル景気低迷の懸念の中、資金市場で資金源が底をつく現象まで重なり、企業の投資計画に赤信号が灯っている。SKハイニックスは当初、10兆ウォン台後半と予測されていた来年の投資規模を、今年より50%以上減らすことにした。SKハイニックス側は、「2008~2009年の金融危機に匹敵する投資縮小だ」と話した。これに先立って、現代(ヒョンデ)自動車と現代オイルバンク、ハンファソリューションなども、予定されていた投資計画を撤回または縮小、保留する方針を明らかにした。

「アーニングショック」水準の業績悪化は、企業の投資行動を相次いで止めている。昨日発表されたSKハイニックスの第3四半期の営業利益は、1年前より60.3%減少した。三星(サムスン)電子の営業利益は、暫定数値だけで30%以上減少し、LGディスプレイは2期連続の営業利益の赤字が予想される。半導体の寒波やドル高に、米中衝突のような地政学的悪材料まで重なっており、今後の予測はさらに暗い。未来投資どころか、直ちにベルトを引き締めることに追われているのが現状だ。

企業各社は、大規模な投資の推進過程で調達した資金の返済にも追われている。債権金利が高騰し、利払いの費用まで雪だるまのように増えている。1年以内に返済しなければならない短期借入金だけでも530兆ウォンで、史上最大だ。急速に冷え込む資金市場は、企業の資金調達の困難をさらに厳しくさせている。江原道(カンウォンド)のレゴランドに端を発した流動性危機で資金源が枯渇し、最近はトリプルA等級の優良企業さえ債券発行に失敗した。このままでは、優良企業も「黒字倒産」を避けがたい。

高まる対外経済リスクと金利高、ドル高、物価高の3重苦の中でも持ちこたえてきたのが韓国の主要企業だ。経済のマクロ指標が悪化し、金融市場の不安が高まっている状況でも、政府は「韓国経済のファンダメンタルは堅調だ」と、危機説を一蹴してきた。しかし、今やそのファンダメンタルを支えてきた代表企業まで揺れている。

政府はこのような民間企業の状況の前で、適切な危機意識を持って支援策作りに乗り出さなければならない。急いで発表した50兆ウォン規模の流動性供給計画だけで、行き詰まった資金源を解決できるかはまだわからない。より果敢で先制的な支援が求められる。ただ「インフレとの戦い」を行う時点で、お金をさらに供給することも難しいだけに、選別支援で効果を高める必要がある。不良企業に絡んで堅実な企業が被害を受けないように、玉石を選り分けることと構造調整を並行していかなければならない。