SKハイニックスが、現存する半導体の中で最高層である238段のNAND型フラッシュ(写真)の開発に成功した。従来の最高層のNANDは、米マイクロンの232段の製品だった。
SKハイニックスは2日(現地時間)、米サンタクララで開幕した世界最大のNAND型フラッシュカンファレンス「フラッシュメモリーサミット2022」で、238段の512ギガビット(Gb)のTLC4D・NAND型フラッシュの新製品を公開した。SKハイニックスは、このサンプル製品を顧客会社にすでに納入しており、来年上半期(1~6月)中に量産に入る計画だと明らかにした。
今回の製品は、SKハイニックスが2020年12月に176段のNANDを開発してから、1年7ヵ月ぶりに出した成果だ。最高層の製品でもあるが、世界で最も小さいサイズで具現されたということも目を引いた。同日のカンファレンスで、SKハイニックスのNAND開発担当(副社長)は、「当社は、4次元(4D)のNAND技術力を土台に開発した238段を通じて、コストや性能、品質の面でグローバルトップクラスの競争力を確保した」とし、「今後も、技術的限界を突破するために革新を繰り返していく」と話した。
不揮発性メモリ半導体であるNANDフラッシュは、基本の保存単位である「セル」を垂直に積み上げる技術力が重要な製品だ。積層段数が高いほど、製品のデータ保存容量も大きくなると同時に、同じ面積のウェハーでより多くのチップを作ることができる。SKハイニックスは、2018年に開発したNAND96段から、従来の3D設計を超えた4D製品を披露してきた。この過程で、「ペリアンダーセル(セルの下に回路を配置する技術)」などの最先端の独自技術を採用して、生産効率を高めた。
今回の238段の新製品は、前世代の176段に比べて生産性が34%高くなったと、SKハイニックスは説明した。データ伝送速度は1秒当たり2.4Gbで、前世代比50%速くなった。一方、チップがデータを読む時に使うエネルギーの使用量はむしろ21%減った。
SKハイニックスは、パソコンの保存装置であるcSSD(client SSD)に搭載される238段の製品を優先的に出荷し、その後、スマートフォン用とサーバー用高容量SSDなどへと、製品の活用範囲を広げていく計画だ。さらに、来年は現在の512Gbより容量が2倍の1テラビット(Tb)の製品も披露する予定だ。
市場調査会社・トレンドフォースによると、今年第1四半期(1~3月)のグローバルNAND型フラッシュ市場シェアは、三星(サムスン)電子が35.3%で1位、キオクシア(18.9%)が2位、SKハイニックス(18.0%)が3位となっている。続いてウェスタンデジタル(12.5%)とマイクロン(10.9%)の順だった。
郭道英 now@donga.com