確かに自分のお金を払って買ったのに、もらったプレゼントのように感じられる時がある。ソン・ミ詩人の詩集がまさにそうだった。タイトルは「人を愛してもいいかな」(民音社、2019年)。新刊詩集を見て回りながら表紙の題名に出会った時、一目ぼれしたようにしばらく立ち止まっていた。世の中を愛してもいいのか、問っていて疲れた時だった。世の中まではいかなくても、人を愛することさえ難しい時だった。時々気づくことがあるが、詩は鏡のようだ。覗き込むと、そこに自分の顔が見える。あの日、私は鏡のような詩集を抱きしめて家に帰ってきた.
今日は、大事にしていた詩集から「ハンマウム医院」を取り出して紹介する。「私が苦労して読んだが、人から慰められたように感じられる作品だ。私たちも病気がちなのに、この詩にも病気の人が出てくる。タイトルを見ると、患者は「ハンマウム医院」に横になっていた。頭は痛いが、実は痛いのは心かも知れない。私たちはお互いを失い、愛も喪失する絶滅の時代に来ている。そのように一心(ハンマウム)ではなくなったのだから、ハンマウム医院でいくら治療しても治るはずがない。こんなに乾いていて危なっかしい生活をしてもいいだろうか。果たして私たちは生き残れるだろうか。詩でこのような独白を聞いていると悲しくなる。逆に、このような独白が一人だけのものではないので、少しうれしくなる。