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「ビルの外の鳥一羽からも自然と交感」

Posted December. 13, 2021 08:26,   

Updated December. 13, 2021 08:26

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「生態作家にできることは、自然の美しさと驚異をきちんと記録し、人々の関心を引き付けることです」

英国の生態作家ヘレン・マクドナルド(51)は、東亜(トンア)日報との書面インタビューで、「不幸にも、私たちは環境問題において恐ろしい時代を生きている」とし、このように語った。2014年に発刊した「メイベルの物語」でノンフィクション界のアカデミー賞と言われるサミュエル・ジョンソン賞と英国文学賞コスタ賞を同時受賞した氏は最近、エッセイ「夕方の飛行」(パンミドン)を出版した。「メイベルの物語」は、作家が野生のオオタ・メイベルを飼いならしながら、父を失った悲しみを癒していく過程を描いたエッセイで、韓国で2万部以上が売れた。彼は新刊でも、偶然に自然と交わした交感の瞬間を繊細な筆致で描いた。

「人々はよく分からないものを愛さず、愛しないものを救うために戦うこともありません」

氏は、「先日、家から30分ほどかかる小さな松林が、都市へと続く道路の拡張工事により破壊された」と伝えた。最近、本人が経験したことの中で最も胸の痛むことだと話した。

氏は、「人々は、都市でも自然が与える驚異と洞察を感じることができるよう助けることに関心が高い」と話した。どうやら都会人たちは、自然と交感する機会が珍しいからだ。氏は「人々は都市から遠く離れた野生の風景だけが悟りを与えると考える傾向があるが、決してそうではない」と強調した。例えば、職場で仕事をしていて、窓の外に飛び回る鳥1羽を見ても自然と交感できるという。鳥の視線で世の中を見下ろしたり、人間がみんな鳥になった世の中を想像するだけでも、世俗的な暮らしの重さを軽減することができるというのが彼の説明だ。

「人間でない生命体を観察することは、一種の魔法のような力を発揮します」

時々都市を離れて野生動物を観察したいのなら、何を準備すればいいか。小さな野生動物の図鑑と中古双眼鏡で十分だというのが彼の助言。「最初は双眼鏡を扱うのは難しいでしょう。しかし、これを持って忍耐強く待てば、恥ずかしがり屋で近寄りがたい生命体が特別な接近を許してくれるでしょう」。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com