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朝鮮国璽の「亀の取っ手」、景福宮の「ヘチ像」に込められた意味は?

朝鮮国璽の「亀の取っ手」、景福宮の「ヘチ像」に込められた意味は?

Posted August. 23, 2021 08:39,   

Updated August. 23, 2021 08:39

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高さ7.9センチ、長さ12.7センチの銀で作った国璽「大君主宝」。正方形の胴体の上に亀が首を長く伸ばして座っている。1882年(高宗19年)に制作後、約140年の歳月を反映するかのように金メッキが剥がれている。大君主宝と1740年(英祖16年)に製作された「孝宗御宝」など、朝鮮の国璽と御宝(王室の権威を象徴する儀礼用印章)は、いずれも亀紐(亀の形をした取っ手)を持っている。十長生の一つであるカメを通じて王の長寿を祈り、多産を通じた王室の繁栄を祈る意味だ。文化財庁は今年6月、朝鮮最後の国璽「大君周宝」を宝物に指定予告した。

韓国文化財財団が今月25日に発刊する月刊文化財春・夏号「動物の王国」は、様々な文化財に込められた動物の意味にスポットライトを当てている。例えば、来月中旬に夜間開場する景福宮(キョンボクグン)のいたるところにも、動物のシンボルが位置している。景福宮の正門である光化門(クァンファムン)の入り口には、ヘチ像が観覧客を迎える。全身がうろこで覆われ、頭に角が生えた想像上の動物・へチは、王を助けて善悪を判断し、不義を見ると角で退ける「法と正義の化身」だ。景福宮の正殿である勤政殿(クンジョンジョン、国宝第223号)の周辺にも22のへチ像がある。王室の守護者であるヘチを通じて王の領域を知らせると同時に、勤政殿を往来する大臣が、法と正義にのっとった政治をするように警戒する意味が込められている。

勤政殿とともに景福宮を代表する慶会楼(キョンフェル、国宝第224号)には、火災が絶えなかった景福宮の火気を抑えるための動物がある。慶会楼は、興宣(フンソン)大院君(1820~1898)が景福宮再建後、火災を防ぐために1867年(高宗4年)に造った人工池である。慶会楼の北側のチャシ門を過ぎて楼閣に向かう石橋には、熊の体に象の鼻を持った想像上の動物「ブルガサリ」の石像が置かれている。火と相克の鉄を食べるとされるブルガサリを通じて火災を防ごうとした祖先の狙いが垣間見える。

かつて高い威勢を象徴した動物が、歳月を経て再解釈されたりもする。例えばアジアで龍は王を象徴し、四神の一つである青龍は死者を保護する存在と思われてきた。しかし最近、大衆文化で龍は力を失った無力な存在として描写される時もある。宮崎駿監督(80)のアニメ「千と千尋の神隠し」に出てくる「ハク」は、川を守護する白龍だが、魔女「湯婆婆」に支配される存在として描かれている。

「動物の王国」を企画したキム・テヨン韓国文化財財団広報課長は、「動物が持つ意味は時代によって変わるが、昔も今も動物は『象徴』として使われている」とし、「動物を通じて大衆が文化財に気軽に近づけることを願う」と語った。


イ・ギウク記者 71wook@donga.com