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残り1年も「我が道」を行くという文大統領、国力を結集できるだろうか

残り1年も「我が道」を行くという文大統領、国力を結集できるだろうか

Posted May. 11, 2021 08:01,   

Updated May. 11, 2021 08:01

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任から4年となった10日、特別演説と記者会見を行った。政権4年を振り返り、残り1年、国民に協調を求める最後の機会だったが、事実上の「マイウェイ」宣言で終わった。「4月7日の再補選で叱責され、身の引き締まる厳しい審判を受けた」とし、不動産政策の失敗に迂回的に触れ、部分的に調整をすると述べたのが全てだ。

不動産問題はもとより、良質の若者雇用問題やコロナワクチンの不足問題などについて、「恐縮する」という一言の謝罪もなかった。むしろ、「危機のたびに不安を増幅させ、葛藤と分裂を助長する向きがある」と述べた。現政権の国政方向に特に誤りはないと考えているため、国政転換の意思もみられず、ワクチン問題などを指摘する野党とメディアに責任を転嫁したのだ。

一部の「非適格」長官候補について、「野党が反対するからといって検証失敗だとは考えない」とし、長官の人選理由を冗長に説明したのも同じ脈絡だ。人事権者としての苦衷も多いだろうが、海外の有名観光地でのセミナーに家族を同行させたり、欧州製の陶磁器を大量に搬入したりするなど偏狭で恥ずべき振る舞いが明るみになったのだから、不快感を表わすよりも、提起された疑惑を謙虚に受け止めればよいことだ。大統領府の蔚山(ウルサン)市長選介入疑惑や月城(ウォルソン)原発捜査について、「検察は大統領府の権力を恐れないようだ」と述べて検察への不信を迂回的に示し、親文勢力の「コメント爆弾」について「自然な現象」と発言したことも、文大統領の民心と乖離した政局認識をうかがわせる。

文大統領は、李明博(イ・ミョンバク)元大統領、朴槿恵(パク・クンへ)前大統領、李在鎔(イ・ジェヨン)三星(サムスン)電子副会長の恩赦問題と関連して、国民統合に与える影響と司法の正義と公平性、国民的共感に触れ、「大統領が思いのままに簡単に決定できる事案ではない」と避けた。対北朝鮮ビラ問題についても、「南北関係に冷水を浴びせることは望ましくない」と発言した。従来の態度から特に変わっていない。

世界的なパンデミックの危機の中で、各国は生き残りの道を歩んでいる。文大統領は、「すべての評価は国民と歴史に任せる」と言ったが、今現在が重要だ。残り1年、「私と私たちの側が正しい」というドグマから抜け出せず、我が道を行くという具合に国政を運営すれば、国の力を結集することはできない。