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日用品無料提供の店には失業青年たちもあちこちに

日用品無料提供の店には失業青年たちもあちこちに

Posted January. 28, 2021 08:19,   

Updated January. 28, 2021 08:19

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「本当に大変です。できたら、この天気にわざわざここに来るはずがないでしょう」

26日午後、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区役所の別館に設けられた「0ウォンマーケット」。

一日中雨足が続いた悪天候だったが、別館の外まで順番を待つ列はずいぶん続いた。0ウォンマーケットとは、永登浦区が新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)で苦しんでいる区民のために運営する無料の分かち合いの店。

ここでは米やラーメン、マスク、オムツなどの生活必需品80種余りのうち、最大4品目を無料で持って行くことができる。永登浦区民のみ利用でき、月1回訪問できる。物品は管内の企業などが多く後援しているが、23日、ここを訪問した丁世均(チョン・セギュン)首相も物品寄付に参加した。

一般的に平日に開かれるこのようなところは、60代以上のお年寄りが多く訪れるのが普通。しかし、同日の現場には、20代や30代も大勢詰め掛けた。3歳の子どもを抱えてきた30代の女性は、「新型コロナが長期化して失業状態も長くなり、すぐに食べ物を求めることも容易ではない」とし、「子育て支援施設も利用しにくいため仕方なく子どもまで連れてきた」と悲しんだ。

彼らが持っていく日用品の種類も例年とは違う。まず米やラーメンなどの「食品」から選ぶ人が多いという。永登浦区役所の関係者は、「出した品目は80種を超えるが、ほとんどの人が食料品から入れている」とし、「相談してみると、その多くが新型コロナで職を失ったり、支援が途絶えて生計を心配している方だ」と話した。

現場で会った高齢者も、子どもたちの失業で苦境に立たされている人が多かった。やはり米などの食料品を中心に受け取っていた70代の男性は、「新型コロナ以前は、子どもたちが少しずつ助けてくれて何とか暮らしてきたが、新型コロナ以降、子どもたちさえ職を失って収入が途絶えてしまった」とし、「貧しくてもすぐに食べていく心配をするようになるとは思わなかった。1年近く何とか耐えている」と頭を横に振った。

永登浦区によると、今月18日に区役所別館を含め、堂山(タンサン)1洞、新吉(シンギル)1・6洞の3カ所でオープンした0ウォン・マーケットには、これまで315人が訪れた。その半分以上は60代の高齢者だが、職を失った20代や30代の若者たちも30%を超える。区の関係者は、「今は既存の脆弱階層である高齢者に、青年たちも新しい脆弱階層に編入される様子を見せている」とし、「最近、住居支援などを要請する人たちが15%以上増えた」と伝えた。

実際、ソウル市国民基礎受給現状によると、昨年の基礎受給者は12月基準で37万226人と、前年度(2010年)の31万8127人より5万人以上増えた。京畿道(キョンギド)で昨年12月から、日用品を配った無料分かち合いの店にも、26日基準で4839人が訪れるほど、人々が詰め掛けている。

永登浦区社会福祉協議会のパク・ファソン事務局長は、「今すぐの支援が急がれるにもかかわらず、支援の手が届かない死角地帯にある新型コロナの脆弱階層が大きく増えている」とし、「特に若者層は中高年層に比べて支援を訴えるのを憚る傾向があるため、より問題だ」と指摘した。また、当面の日用品の支援も重要だが、分かち合いの店を訪れた市民の具体的な実態を把握して、雇用相談などにつなげる追加支援システムの構築を訴えた。


姜昇賢 byhuman@donga.com