Go to contents

クリスマスの特需を迎えた「オンライン劇場」

クリスマスの特需を迎えた「オンライン劇場」

Posted December. 23, 2020 08:14,   

Updated December. 23, 2020 08:14

한국어

「今年の『クリスマス特需』は劇場ではなく、オンライン動画サービス(OTT)が持っていくだろう」。

とある映画界の関係者は、ネットフリックス、ワッチャなどが最近相次いで作品を公開した状況について、このように評価した。新型コロナのため、映画界の書き入れ時であるクリスマスに劇場を訪れる観客の減少が予想される状況を狙ったOTTが、関連コンテンツを出して、物量攻勢をかけているという。

ネットフリックスは、クリスマスに合わせた「オリジナルコンテンツ」で勝負に出ている。30代女性がクリスマスに合わせて、恋人と付き合う紆余曲折を描いたノルウェー作品「クリスマスのその夜に」のシーズン2、金持ちの男性がカリフォルニアの農場で働いて女性と恋に落ちる「カリフォルニア・クリスマス」など、恋人を対象にしたロマンチックコメディードラマを今月公開した。北極に落ちた一人の子供とサンタクロースの冒険を扱った映画「クリスマス・クロニクルPARTS2」も、家族を狙って先月25日に公開した。

ワッチャは、過去の「ヒット作品」を相次いで公開している。韓国OTTでは初めて映画「ハリー・ポッター」シリーズを出した。連休のたびにケーブル放送で放送されていた「ミッションインポッシブル」、「007」、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズも提供される。独自に制作したクリスマスコンテンツがネットフリックスに比べて足りない状況を補うために「ネットナイワッアリ(ネットフリックスにはおらず、ワッチャにはある)」コーナーを設けた。ウェーブも24~25日の2日間、映画「ララランド」「キャロル」などのクリスマスコンテンツを無料で提供する計画だ。

OTTの「クリスマス独走」は、劇場の不振のためだ。映画振興委員会によると、先月、映画館での観客数は前年比80.7%減少して、359万人に過ぎない。12月に公開される予定だったコンユとパク・ボゴム主演の映画『ソボク』、ディズニー・ピクサーのアニメ『ソウル』の公開が来年に延期された。クリスマスに合わせて公開してきたロマンチックコメディー作品もほとんどない。

ユニークな素材や多様さを武器に、個人の趣向を攻略してきたOTTが、複数の人々が一緒に見ることができる普遍的趣向にも投資しているという分析も出ている。クリスマスをきっかけに、家族や恋人が一緒に楽しめる作品で、視聴者層をさらに広げているという。最近、OTTが国内インターネットテレビ(IPTV)と提携後、モバイルではなく、テレビで作品を視聴する人たちが増えているのも一因となっている。OTT業界の関係者は、「性的、暴力的傾向が低く、全体の年齢層が見ることのできる作品を流して家族全員が視聴するプラットフォームになろうという戦略をOTTが展開している」と話した。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com