Go to contents

金与正氏の「対南非難」にも金正恩氏は沈黙、北朝鮮式「ツートラック戦術」か

金与正氏の「対南非難」にも金正恩氏は沈黙、北朝鮮式「ツートラック戦術」か

Posted June. 09, 2020 08:07,   

Updated June. 09, 2020 08:07

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の4日の「対南非難談話」発表後、初めて公の場に姿を見せたが、韓国については言及せず、その背景が注目される。「対南総括」の金与正氏を対南非難の先鋒に立たせ、自身は韓米の反応を見てメッセージを調節する一種の「陽動作戦」を展開していると分析されている。

正恩氏が7日に主宰した党中央委員会第7期第13回政治局会議で、主に経済と人事の問題が議論されたと、労働新聞は8日付で伝えた。正恩氏は、「化学工業全般の発展に向けた当面の課題」、「首都市民の生活保障の問題」など自力更正と民生政策について言及しただけで、韓米などに関する対外政策には触れなかった。与正氏が脱北者の北朝鮮へのビラ散布について談話を通じて非難し、続いて統一戦線部が「南北共同連絡事務所を廃止する」と明らかにするなど、北朝鮮各地で対南糾弾大会が続く中、正恩氏はメッセージを控えたのだ。

 

これを受けて、正恩氏と与正氏の役割分担による「二重プレー」が本格的に始動したという観測が流れている。これに先立ち、正恩氏は3月にも、与正氏が談話を通じて、大統領府のことを「おじけづいた犬」、「低能」などと非難した翌日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に親書を送ったことがある。対南戦術パターンが繰り返されたということだ。京畿(キョンギ)大学の南柱洪(ナム・ジュホン)客員教授は、「言うべきこと言いながらも、対外的に(最高指導者の)メッセージはトーンダウンする典型的な対南戦術」と指摘した。

 

北朝鮮が6・15宣言20年を迎える来週、さらなる圧力に出る可能性も提起されている。現在の南北関係に大きな不満を持っている北朝鮮としては、関係を断絶したいという象徴的な強硬メッセージを送るのに、適期ということだ。南氏は、「1週間程、韓国側の反応を見て、6・15と相まって南北共同連絡事務所を廃止すると出る可能性を排除できない」と話した。


韓基渽 record@donga.com