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「クロロキン礼賛」まで似ている米とブラジルの首脳

「クロロキン礼賛」まで似ている米とブラジルの首脳

Posted May. 21, 2020 08:37,   

Updated May. 21, 2020 08:37

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極右寄り、暴言、弾劾危機、報復性人事・・・。米国のトランプ大統領とブラジルのボルソナーロ大統領について現地メディアが挙げる共通点だ。新型コロナウイルスの対応に失敗した代表的な指導者に挙げられながら、「コロナの脅威が誇張された」と豪語するのも似ている。

両首脳が今度は、新型コロナウイルスの治療の効能が検証されていない抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」をめぐって同じ声を出している。検証されていない薬を擁護する政治的背景をめぐって論議が起こっている。

トランプ氏は19日、米食品医薬品局(FDA)が退役軍人病院の入院患者の事例分析を基にヒドロキシクロロキンの副作用を警告したことに対して、「誤った研究を土台にした」とし、「『トランプの敵』が出す声明」という陰謀説を展開した。米紙ワシントン・ポストは、「7人の医師が大統領を政治的に引きずり下ろすために抗マラリア薬の効能研究の結果を共謀したという主張は不可解だ」と強調した。トランプ氏は前日、ヒドロキシクロロキンを服用中と明らかにしたことについては、「すばらしい評判であり、(新型コロナウイルスから)安全にしてくれる薬」と繰り返し主張した。

「ブラジルのトランプ」と呼ばれるボルソナーロ氏も、ヒドロキシクロロキンに対する危険な広報を続けている。ボルソナーロ氏は同日、「トランプ氏もこの薬を服用している」とし、「私も93歳の母親のために1箱準備した」と話した。ボルソナーロ氏は、ソーシャルディスタンスの指針に反して大規模なバーベキューパーティーを行うなど、新型コロナウイルスの脅威を過小評価して非難されたことがある。

ブラジル政府は専門家の警告にもかかわらず、感染者に対してヒドロキシクロロキンの使用を拡大する指針を強行する予定だと、ロイター通信は伝えた。新型コロナウイルス対応の問題で対立して辞任したルイス・エンリケ・マンデッタ前保健相は、大統領が経済再開のためにヒドロキシクロロキンの使用を迫っていると主張した。

サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は、「政治的意図がある法令に基づいて公衆衛生を扱う国は全世界のどこにもない」とし、連邦政府のヒドロキシクロロキン使用拡大の指針に従わないと公開的に拒否した。

彼らの「ヒドロキシクロロキン礼賛論」には、政治的戦略が背景にあるものとみられている。新型コロナウイルス対策に失敗した代表的国家とされている状況で、治療の可能性への期待を高めると共に、世論の批判をかわそうとしているということだ。

ワールドメーターの集計によると、米国は感染者数が157万人を超え、圧倒的な世界最多の感染者発生国となった。トランプ氏は同日、感染者数が多いことについて「それだけ検査を多くしていることを示す『名誉の印』と自画自賛し、ひんしゅくを買った。ブラジルも27万人を突破し、世界で4番目に感染者が多い国家になった。19日に発生した感染者数は米2万289人、ブラジル1万6517人で世界1、2位だ。

政治的窮地に追い込まれた両首脳が、世論の視線を他に向けるために戦略的に論議を煽っているという見方もある。米政治専門メディア「ポリティコ」は、「トランプ氏が国務省の監察官を更迭したことに対する批判をかわすために、議論になる薬の服用を明らかにした可能性がある」と指摘した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 チョ・ユラ記者 lightee@donga.com · jyr0101@donga.com