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北朝鮮が挑発するほど弱腰になる大統領府、安全保障のコントロールタワーは機能しているのか

北朝鮮が挑発するほど弱腰になる大統領府、安全保障のコントロールタワーは機能しているのか

Posted August. 13, 2019 10:30,   

Updated August. 13, 2019 10:30

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日、大統領府首席・補佐官会議で、日本の経済報復への対応と関連して、「果敢に振る舞うものの冷静で根本的な対策まで考えなければならない」と話した。北朝鮮の相次ぐミサイル挑発については言及しなかった。大統領府関係者は、北朝鮮外務省局長談話の暴言に対して、「単語を一つ一つ語感まで逐一対応することが正しいことなのか」とし、「合同軍事演習が終われば(米朝)実務協議をするという意思を表明したものと見ている」と述べた。

文大統領は先月末以降、北朝鮮の5度の挑発に何も言及していない。国家安全保障会議(NSC)全体会議も開かなかった。その代わりに、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長を中心にNSC常任委員会や関係閣僚会議を開いて対応してきた。北朝鮮が挑発すればするほど韓国政府の対応が強まるどころかむしろ弱まっている。

先月25日の北朝鮮の挑発に大統領府は予定されていた定例NSC常任委で、「強い懸念」を示した。31日には緊急NSC常任委を開き、強い懸念とともに「徹底した対応」を強調した。しかし、北朝鮮は挑発を止めなかった。大統領府は8月に入って起こった3度の挑発にはNSC常任委ではなく関係閣僚会議を開いた。10日の挑発には画像会議を行った。

 

大統領府は、北朝鮮の挑発に敏感に対応すれば、より大きな挑発を呼び、対応の悪循環が起こると判断したのだろう。しかし、対応を自制して後退すればするほど、北朝鮮は調子づいて悪癖がよりひどくなる。北朝鮮が11日に韓国に対して暴言と嘲弄を浴びせたのも、結局はこのような生ぬるい対応が原因だ。にもかかわらず大統領府は、北朝鮮が対米協議に出るという意向をほのめかしたので幸いという態度だ。

2年前、北朝鮮の核・ミサイル挑発と米国の強硬対応が衝突し、韓半島は戦争直前の危機に突き進んだ。しかし、米国の断固たる対応と制裁強化が北朝鮮を協議のテーブルにつかせた。しかし、今回の挑発は、韓国を狙った短距離ミサイルの脅威だ。にもかかわらず、厳しい言葉も言えないとは、国民の自尊心が傷ついている。それだけでなく北朝鮮の挑発は日常化し、米国は請求書だけを突きつける。

国防部であれ外交部であれ外交安保省庁は、大統領府の顔色だけをうかがっているが、大統領府国家安保室はただ北朝鮮をなだめるだけだ。そして、強弱調節が必要な韓日対立には、強硬一辺倒の声を出している。果たしてこの政府に外交安保コントロールタワーの機能が正常に作動しているのだろうか。